ちまたでは「ベビーパウダーを活用した様々なスキンケア方法」が紹介されているのをよく目にします。中には「ベビーパウダーには美白効果がある」と紹介している記事まで存在します。

残念ながらベビーパウダー自体に美白効果はありません。美白効果があると信じて間違った使い方をしていると、むしろ肌には負担がかかってしまうことがあります。

とは言っても、ベビーパウダーは正しく使用すれば有用なアイテムであることは事実です。ベビーパウダーの効果・活用方法について述べていきます。

ベビーパウダーとは?

ベビーパウダーといえば「赤ちゃんに用いるもの」とイメージする方が多いのではないでしょうか。「赤ちゃんの肌に使える=肌に優しい」と考える方も多いでしょう。

赤ちゃんの肌にも使えるベビーパウダーの原料は、一体どのようなものなのでしょうか。その主成分は、「タルクといった鉱物の粉」と「コーンスターチといったデンプン」です。

・タルク

タルクと聞いてもあまり馴染みがないかもしれませんが、メイク用品ではよく使われている原料です。タルクは「含水ケイ酸マグネシウム」で表される微細な結晶の集合体です。滑らか(なめらか)な触感に富むため滑石(かっせき)といわれます。

メイク用品の中でタルクは製品の剤形を保つために用いられ、伸びを良くしたり、付着性を高めたり、光沢を調整したりします。また色調の調整にも使われます。

市販されているベビーパウダーの原料の中で、最も配合量が多いのがタルクです。

・コーンスターチ

コーンスターチとは、トウモロコシのデンプンです。料理でも片栗粉(じゃがいものデンプン)のようにとろみをつける目的で用いられています。高い吸水性をもちます。

コーンスターチは天然の成分であり、食用にも使うため安全性の高い原料といえます。

またベビーパウダーには、タルク・コーンスターチ以外にも殺菌剤や香料が配合されていることがあります。

ベビーパウダーの用途

これらのタルクやコーンスターチといった粉末が、優れた滑りと吸湿性で皮膚を保護するため、あせもやただれ、かぶれ、カミソリ負けの予防や改善効果をもちます。

そのため赤ちゃんのおむつかぶれや大人のあせも、さらには摩擦の多い衣装の下などに用いて肌を保護する役割を果たします。

ベビーパウダーのスキンケア効果 これって本当?

ネットで紹介されているベビーパウダーを用いたスキンケア効果の真相についてみていきましょう。

ベビーパウダーで美白パック

牛乳やヨーグルトにベビーパウダーを混ぜてとろみをつけてパックすることで美白効果が得られると言われています。

これは牛乳やヨーグルトが持つゆるやかなピーリング効果によって肌の古い細胞が剥がれることで、シミが薄くなったり、肌にツヤがでたりすることが期待されるものです。しかし数回程度のパックで美白効果が得られることはありません。

また、家にあるものでスキンケアができるとお得な気分になるかもしれませんが、乳製品はそんなに安いものではないことも事実です。

コストパフォーマンスを考慮すると市販のパック、あるいは確かな美白効果を得たいのであれば美白専用の化粧水・乳液・クリーム・美容液などを使用することをお勧めします。

ベビーパウダーでスクラブ洗顔

普段使用している洗顔料にベビーパウダーを混ぜてスクラブ洗顔という方法もあるようです。一般的に洗顔料に配合されているスクラブには、塩や海藻、植物の皮といった天然素材やナイロンパウダー、マイクロビーズなどの合成素材があります。

スクラブ洗顔に用いられているスクラブは、毛穴などの汚れを除去するために粒子のサイズをきちんと計算して配合されています。

ベビーパウダーの粒子がスクラブに向いているかどうかは不明です。従ってベビーパウダーを混ぜて洗顔しても、スクラブ洗顔にあるような「毛穴の黒ずみを除去」「緩やかなピーリング」といった効果は得られない可能性があります。

ベビーパウダーでニキビを予防

ベビーパウダーが皮脂や汗を吸収してくれるため、アクネ菌(ニキビの原因となる菌)の増殖を抑えられるということから「ニキビを予防できる」さらには「ニキビ跡を隠せる」という目的で使用している方がいらっしゃいます。

しかし、ベビーパウダーが毛穴に詰まってアクネ菌をさらに増殖させる可能性があります。

ニキビを予防するには、こまめに汗や皮脂を水で洗い流して肌を清潔に保つことが一番です。ただし、「過剰な汗や皮脂を分泌して肌が常にベトベトだけど、こまめ洗い流すことができない場合」にはベビーパウダーは有効といえるでしょう。

ベビーパウダーでデオドラント効果

これはベビーパウダーの本来の使い方といえます。夏の暑い日に脇汗が服の上から染み出て目立つ場合などにベビーパウダーを脇に塗布すれば、汗が染み出るのを抑えることができます。さらに汗の臭いの対策にもつながります。

ただしベビーパウダーは粉末が汗を吸収するだけで、汗の排出そのものを抑える効果はありません。そのため多汗症といった汗が噴き出してくるような疾患の治療にはならないです。

ベビーパウダーを活用するならメイクに!

ベビーパウダーを活用するなら、フェイスパウダーとして使うことをお勧めします。

ベビーパウダーをフェイスパウダーに

フェイスパウダーは「おしろい」とも呼ばれるメイクに用いるお粉です。フェイスパウダーには様々なバリエーションがあり、色のついているもの・日焼け止め効果のあるもの・粉タイプ・固形タイプなど用途や好みによって選ぶことができます。

フェイスパウダーの役割は、

・皮脂を吸収してテカりを抑える

・汗を吸収してメイク崩れを防ぐ

・メイクの仕上がりをきれいに見せる

・肌の表面をサラサラにして次に使うアイテムとのなじみをよくする

などがあります。ベビーパウダーにも近い効果があるため、フェイスパウダーの代わりに用いることができるのです。

さらにベビーパウダーの方が、原料がシンプルであり肌に負担をかけません。従って敏感肌や肌が荒れているときに使用する場合はフェイスパウダーよりもベビーパウダーの方が、刺激が少ないといえます。

ただし、ベビーパウダーにはSPF機能はついてないので日焼け止め効果はありません。下地や日焼け止めを塗らずに「ベビーパウダーのみ」にするのはやめましょう。

ベビーパウダーとミネラルファンデーションどちらが肌に優しいか

ファンデーションの中で肌に優しいといえば「ミネラルファンデーション」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。中には「ミネラルファンデーションとベビーパウダーどちらが肌に優しいのか」と思う方もいるでしょう。

しかしそもそもベビーパウダーはファンデーションの代わりにはなりません。

確かにベビーパウダーには、粒子がくすみや毛穴などを目立たなくする多少のカバー力が期待できます。しかしファンデーションのように肌の色調を整えたり、高いカバー力を持ったりすることはありません。

そして、誤解されがちですがミネラルファンデーション自体が肌に良いものではありません。

ミネラルファンデーションとは、酸化チタン・酸化亜鉛・酸化鉄・マイカなどの粉末状のミネラル(鉱物)成分を配合したものを示します。

通常のファンデーションには肌との密着性を高めるために油性成分が、またリキッドファンデーションには水性成分と油性成分を混ぜるために界面活性剤が用いられます。

ミネラルファンデーションは、「油性成分が配合されていないため肌との密着性が低くクレンジングをする必要がない」「界面活性剤などの肌に負担のかかる成分が配合されていない」という点が肌に優しいといわれています。

確かに通常のファンデーションに比べると肌に負担がかからないのは事実ですが、「スキンケア効果がある」「肌に良い」というわけではないのです。

ベビーパウダーの注意点

ベビーパウダーは上手に使えば肌にとって有用ですが、いくつか注意点があります。

ベビーパウダーのパフについて

ベビーパウダーを使う時、専用のパフで塗布する方が多いと思います。まんべんなくパウダーが塗布できる上、肌触りも気持ちいいのですが「こまめに洗うこと」「使用部位・用途によってパフを変えること」が必要です。

パフでは細菌が繁殖しやすいので、皮脂などが付き汚れたパフを使い続けているとニキビや肌荒れを引き起こしてしまいます。パフはこまめに洗いましょう。

また、パフは使用部位や用途によって使い分けることをお勧めします。例えばベビーパウダーをフェイスパウダーとしても活用したい場合、パフにメイクの原料が付着します。このパフを何もしていないきれいな肌に使うと肌が汚れる上、負担がかかってしまいます。

用途や使用部位によってパフをいくつか持つことをお勧めします。

ベビーパウダーの使用量

ベビーパウダーは適量塗布することによって皮脂や汗を吸収し肌に有用な効果をもたらしますが、使用量については注意が必要です。

使用量が多すぎると粉末を吸い込んでしまい呼吸器系などに影響を与える可能性があります。また、肌につけるベビーパウダーの量が多いと、必要な皮脂や水分まで吸収してしまうため肌が乾燥してしまいます。特に乾燥肌の人は気をつけましょう。

ベビーパウダーの発がん性について

最後にベビーパーダーの発がん性についても触れたいと思います。

・発がん性物質アスベストの混入

1980年代「ベビーパウダーには発がん性がある」として世間をにぎわせました。これはベビーパウダーの主成分であるタルクの不純物に発がん性物質アスベストが検出されたためです。アスベストは吸い込むことによって体内で肺がんなどを引き起こすといわれています。

しかし現在国内で使用されるタルクは、厚生労働省の基準をクリアしたもののみ流通しているためアスベストが混入していることはないと考えられます。

・女性器に使用することで卵巣がんのリスクが上昇

アメリカでは陰部のむれやにおい対策のため、デリケートゾーンにベビーパウダーを使用することをメーカーが推奨してきました。そして長年その習慣を続けた女性が卵巣がんを発症し、その原因がベビーパウダーにあるとして大手メーカーを相手どり訴訟をおこしました。

このような事例はアメリカではいくつもあり、「ベビーパウダーが陰部に蓄積することによって卵巣がんのリスクが上昇する可能性がある」との指摘の声が上がっています。

日本ではこのような使い方を推奨しているメーカーは存在しませんが、いずれにせよ過度な使用は避けるべきです。ベビーパウダーは、原料が粉末なので吸い込むと体内で蓄積する恐れがあります。

「赤ちゃんの肌に使える優しいベビーパウダー」ではありますが、体に溜まるとそれは異物でありです。ベビーパウダーが他のアイテムの代替品にはなりますが、「肌にとって良いものではない」ということも意識して用いるようにしましょう。

まとめ

ベビーパウダーは昔から使われてきたもので、正しく使えば安全で役に立つアイテムといえます。

しかし、「赤ちゃんの肌にも使えるのだから何かに活用しよう」とむやみに使い過ぎると肌に悪影響を与えるだけではなく、体にも良くありません。

何かのアイテムの代替として用いる場合「そのアイテムより有用な点・劣る点」をよく考慮して使うようにしましょう。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。