肌の細胞、ビタミン、コラーゲン、エネルギー、ホルモン、神経伝達物質……これらは何からできているか考えたことはありますか。

元をたどると、全て私たちが普段摂取している食べ物から吸収・分解されてつくられているのです。

例えば、肌の表面の細胞は約28日周期で生まれ変わります。つまり表面に見えている肌は、28日前とは全く違う細胞が並んでいることになります。だとすると表面の肌は約1ヶ月前の食事で摂取したものの影響を受けていることになります。

外から塗布する化粧品も大切ですが、肌そのものを美しくしたいと願うのであれば体内に摂取するものに日頃から気をつけなければなりません。

そこで今回は、「美肌を目指すための食事法」について紹介します。

薬に頼らない治療法「分子整合医学」について

食事の大切さを説明する上で、非常に参考になる「分子整合医学」という治療法について説明します。

慢性疾患(病状が長期的に続くこと)や老化は、体内の分子レベルでの栄養素のバランスの乱れによって体が本来のシステムを機能できなくなり、引き起こされていると考えられています。

つまり栄養素を至適(最適)濃度まで正しく調節すれば、慢性疾患を治せたり老化の進行を遅らせたりできる可能性があるということです。そして、これが「分子整合医学」の考え方です。

実際にアレルギー、精神疾患、ガンなどにおいて分子整合医学によって救われた患者さんが世界中に多数存在します。

「分子整合医学」を知ることで、食事は時として病気をつくり、時として病気を治療することができるということが分かります。

それでは、分子整合医学を参考に、健康・美肌でいるために「体内の分子レベルでの栄養素を至適濃度に保つ」にはどのようにしたらよいのでしょうか。

それは「自分に合った食事法」を見つけることです。

厚生労働省によって日本人に必要なビタミンなどの推奨摂取量が定められていますが、実は人によって栄養素の至適量はそれぞれ異なります。その理由として、腸内環境の違い、遺伝的特質、精神状態の違い、持病の有無、栄養素の吸収力の違いなどが挙げられます。

つまり同じ食事を摂取していても、これらの個人の体質によって体内で栄養素が足りているかどうかは変わってきます。

「バランスの摂れた食生活をおくれている」と自負している人でも、実は特定の栄養素が足りていない可能性があります。例えば、ビタミンB群を食べ物から十分に摂取しているつもりでも、実際には足りておらず肌荒れをまねいていることがあります。

これには砂糖の過剰摂取が考えられます。砂糖を体内で分解するにはビタミンB群が必要になってきます。つまり、砂糖を多く摂取することで体内のビタミンB群が消費されてしまい、ビタミンB群不足に陥って肌荒れを生じているのです。

このように人によって不足している栄養素は異なります。

また、現在さまざまな食事法が提唱されています。和食、地中海食、ベジタリアン、酵素食、糖質制限食などどれを信用すればいいのかわからないという方もいらっしゃると思います。しかし、個人の体質によって合う・合わないが決まってきます。

よって「体調がいい」「肌の調子がいい」と自分が思える食事法が自分に合った食事法といえます。

美肌を目指す食事習慣

先に述べた通り、1つの食事法が全ての人に合うとは限りません。そこで、1つの手法に絞るのではなく、効率よく栄養素を吸収するために身につけておくべき知識、気をつけるべきポイントを紹介していきます。

腸内環境を整える

食べ物の消化をするのは体内の消化酵素だけではありません。胃で消化されなかったものはそのまま腸へと送られます。そこで、腸内細菌の働きによって分解・消化され、ビタミンやホルモンなど体に必要な栄養素が生産されるのです。

人によって栄養素の吸収力が違う大きな理由の一つとして、「腸内細菌の生産能力の差」が挙げられます。腸内細菌の善玉菌・悪玉菌のバランスがとれていると善玉菌が優位に働き、摂取した食べ物から体に必要な栄養素を産出してくれます。

一方で、腸内環境が悪く腸内細菌のバランスが乱れると悪玉菌が優位となり、体にとって有害な毒素や腐敗物質、発がん性物質さえも産出されてしまいます。

さらに、腸内環境は肌のコンディションとも密接に関係しています。悪玉菌が活発な状態では、腸内で腐敗が進み産生された毒素が血液を介して肌にも届いてしまいます。これが肌トラブルのきっかけとなります。逆に腸内環境が整っていると美肌をキープすることができます。

腸内環境は栄養素の吸収力、美肌に影響を与えるだけでなく、免疫機能(体を病気やウィルスから守るシステム)や肥満・糖尿病・精神疾患といった病気にも影響を与えることがわかっています。

体にとって重大な役割をしている腸内細菌のバランスはさまざまな因子によって決まります。その中でも最も影響を受けるのが「食事」です。

腸内細菌、特に善玉菌が喜ぶ食事を摂ることが大切です。善玉菌が喜ぶ食事とは、「食物繊維」と「発酵食品」です。

野菜、海藻、全粒穀物(玄米など精製されていない穀物)には善玉菌のえさとなる食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維を摂取するさいも、一つに絞らず多様な食材を摂取するようにしましょう。食材の種類が多いほどさまざまな菌種の善玉菌が活性化するからです。

続いて発酵食品です。和食にはさまざまな発酵食品が存在します。和食で用いられる調味料、醤油・味噌・みりん・酢・料理酒などは全て発酵されてつくられています。ただし、選ぶときいくつか注意点があります。

例えば、「みりん風調味料」です。本みりんはもち米、米麹(こうじ:コウジカビという微生物を用いて発酵させたもの)、アルコールからつくられています。一方、みりん風調味料は人工的に本みりんの味に真似てつくられた調味料です。

その他にも安価な調味料の中には、食品添加物を加え発酵の力が弱まっているものが存在します。効率的に発酵食品を取り入れるためにも、品質の高い発酵調味料を選ぶようにしましょう。

一時期ブームとなった「塩麹」を発酵調味料として使用するのもおすすめです。乳酸菌を豊富に含んだ塩麹を使って味付けをしたり、余った野菜に塩麹を一晩漬けて漬物にしたりするなど広く活用できます。

発酵調味料だけでなく、納豆やキムチ、ヨーグルト、チーズも優れた発酵食品ですので積極的に取り入れるようにしましょう。

自炊する

外食やお惣菜中心の食生活では必要な栄養素を摂取することはできません。美肌を目指すのであれば、一日一品からでもいいので自炊を始めましょう。お味噌汁、サラダだけでもかまいません。

このときなるべく、化学調味料には頼らずに品質のよい調味料を使用してシンプルな味付けを心がけましょう。

食材選びでは「カラフルな食材を取り入れる」ことを意識すれば、栄養についての詳しい知識をもたなくても自然にバランスのとれた食事に仕上がります。

また、美肌にはタンパク質が必須です。肌は水分を除くと約60%がタンパク質でできているからです。毎日、肉・魚・卵・大豆などからバランスよくタンパク質を摂取するようにしましょう。

さらに、調理法も意識しましょう。高温調理よりも低温で蒸したり、煮たりした料理の方が栄養価が高く、発がん物質や糖化・酸化物質(共に老化の原因となる物質)の発生を抑えることができます。

油と砂糖に気をつける

油と砂糖に気をつけることは、美肌を目指す上で非常に重要です。

油は肌の細胞膜を構成する重要な成分です。よい油はツヤのある美しい肌へと導きます。逆に、質の悪い油は肌だけでなく体内をさびつかせ老化を進めます。さらに質の悪い油は腸内細菌の悪玉菌の好物なので腸内環境を悪くしてしまいます。

そこで「油の質」を見極める力が必要です。大切なポイントは「新鮮である」「体内で変化しにくい油である」ことです。

新鮮とは、長時間空気に触れていない、古い油でないということを意味します。市販で売られているお弁当やお惣菜は古い油を使用していることが多く、よい油とはいえません。

また、マーガリンに含まれている「トランス脂肪酸」という油は非常に変化しやすい性質をもっているため、体内で変化し血管を傷つけるなど炎症を引き起こします。ポテトチップスなどに含まれるパーム油も変化しやすい油ですので気をつけましょう。

その他、広く使用されているひまわり油、コーン油、ベニバナ油なども過剰摂取により体に悪い影響をもたらすといわれているので摂りすぎを控えましょう。

よい油には、亜麻仁油(あまにゆ)、エゴマ油、オリーブオイル、ココナッツオイルなどがあります。購入するときは、遮光ビン(光を通さない容器)に入っているものを選びましょう。

これらの良質な油をなるべく加熱せずにサラダなどにかけて食べると肌にもよいです。

続いて砂糖についてです。先ほども述べた通り、砂糖の摂りすぎは美肌に欠かせないビタミンB群の不足をもたらします。また、糖化といった老化の原因物質をつくります。糖化は肌を黄色くしたり、シワやたるみの原因にもつながります。

和食には欠かせない砂糖ですが、砂糖の代わりにみりんや甘酒、てんさい糖、はちみつを使用することができます。特に「はちみつ」は和食との相性がいいのでおすすめです。はちみつにも種類がたくさんありますが、「アカシアはちみつ」はクセがないので使いやすいです。

最後に避けるべき食品、「菓子パン」について述べます。

コンビニやスーパーで販売されている菓子パンには、精製された小麦粉、たっぷりの砂糖、質の悪い油、食品添加物が使われています。菓子パンは美味しいですが、もしあなたが菓子パンを頻繁に食べているというのであれば、美容の大敵であるのですぐにやめましょう。

代わりに、パン屋さんで販売されている素材のよいパンに変えましょう。それだけで肌が変わるかもしれません。

食品添加物を避ける

食品添加物は現在広く使われており完全に排除することはできませんが、極力避けるようにしましょう。食品添加物は、発がん性の危険やアレルギー、炎症などを引き起こす可能性があるといわれています。

また、食品添加物の一つ「防腐剤」は細菌の増殖を抑えるために含まれています。しかし、その摂取量が多くなると腸内細菌の働きも抑えてしまいます。

さらに食品添加物がシミの原因になることをご存知でしょうか。食品添加物は体内で肝臓によって解毒されるのですが、そのときに大量の活性酸素を発生します。

活性酸素は非常に不安定で高いエネルギーをもっており、細胞や遺伝子を傷つけることがわかっています。肌では発生した活性酸素から肌を守るためにメラニン細胞がメラニン色素をつくります。これがシミの原因となるのです。

「美白ケア、紫外線対策はバッチリ!」という方でも、食品添加物がたくさん使われているファーストフードやスナック菓子を頻繁に食べている場合は、シミができる可能性が十分にあるということです。

その他注意すること

食べ物とは直接関係しませんが「よく噛んで食べる」ということも大切です。

よく噛むということは満腹中枢を刺激するだけではなく、体を温める効果もあります。よく噛むことで消化や吸収に使われるエネルギー量が上がり、熱をつくることができるのです。

体が温まり血流がよくなると、栄養分が全身に行き届きます。さらに腸内細菌の活動も高まります。

食事中はゆっくりよく噛んで食べることを意識しましょう。

食べ物についてばかり説明してきましたが、飲み物も大切です。私たちの体の約60~65%は水分でできています。よって質の良い水を摂取することも大切です。体に一定の水分を保つために水分補給を忘れないようにしましょう。一度にまとめて飲んでもすぐに尿として排出されてしまうので、こまめに補給することが重要です。

一日1.5リットル程度の水分を数回に分けて飲みましょう。特に寝る前と起きたときはコップ一杯の水を摂取しましょう。

水分と述べましたが何でもいいわけではありません。砂糖がたくさん使われている清涼飲料水は避けましょう。コーヒーや紅茶などカフェインの摂りすぎも体に負担がかかってしまうので、なるべく余分な物が含まれていない水に近いものを飲むようにしてください。

まとめ

いい食事を心がけることで細胞、血液レベルからきれいになることができます。これが健康・美肌につながるのです。

いい食事とは、相性もあるので人によって内容が違います。しかし、気をつけるべきポイントは共通しています。腸内環境を意識し、品質の高い調味料を使用して自炊し、体に悪い食べ物を極力避けるということです。

徹底的に食品添加物を排除し全てをオーガニック食品にする必要はありません。日々摂取する調味料(発酵調味料、油、砂糖)にこだわることが大切です。

「毎日の食事が肌をつくる」ということを意識して、食生活を見直してみましょう。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。