あなたは自分が毎日使用している、化粧水の分類と保湿成分の働きをきちんと説明できるでしょうか。

自分の肌状態に合った化粧水を選ぶことはスキンケアの基本です。特に化粧水は1回の使用量が多く、頻繁に買い替える必要があります。そのため、「化粧水だけは価格の安いものを購入している」という方も多いと思います。

しかし、さまざまな情報が飛び交う中、正しい知識を身につけてスキンケア製品を選ぶことは難しくなっています。ドラッグストアの化粧品コーナーへ行けば何十種類以上もの化粧水が存在し、その中から自分にふさわしいものを選ばなければなりません。

そのさい、「ブランドのイメージ」「何となくすごそうな成分名」「最新技術!〇〇テクノロジー」といったメーカーの戦略に惹かれて化粧水を購入する方も多いのではないでしょうか。

化粧水のパッケージに書かれている表示成分全てを一つ一つ確認して選ぶ必要はありません。ただ、化粧水はより保湿力を重視して選ぶ必要があります。

化粧水の分類と、よく使われている保湿成分に関してはどのような働きがあるのか知っておくことで、商品を比較しながら賢く化粧水を選ぶことができます。

今回は、化粧水を選ぶときのポイントをわかりやすく説明していきます。

化粧水には分類がある

化粧水には分類があることをご存知ですか。

大きく分けると「保湿化粧水」「収れん化粧水」「ふきとり化粧水」「目的別化粧水」の4種類です。

保湿化粧水

一般的に販売されている化粧水の中で最も一般的な化粧水が保湿化粧水です。皮膚をやわらかくすること、保湿することを目的としています。

「モイスチャーローション」「エモリエントローション」と表示されている商品は保湿化粧水に該当します。保湿成分に関しては後ほど詳しく説明します。

収れん化粧水

皮脂の多い肌、毛穴が目立つ肌、汗をよくかく肌にふさわしい化粧水です。「収れん」とは、縮むことや引き締めることを意味します。「トーニングローション」とも呼ばれます。

収れん化粧水には、肌を引き締める効果や清涼感を与える効果があります。収れん化粧水に用いられる成分としては、メントールやアルコール、そして収れん効果のある植物エキス(ハマメリスエキスなど)が配合されています。

肌に収れん効果を与えることは、肌に刺激を与えることにつながります。敏感肌の方には向いていません。過剰に皮脂が出るときや、夏場暑くて化粧水を塗ったそばから汗で流れてしまうというようなとき以外の使用はおすすめできません。長期使用も控えましょう。

ふきとり化粧水

コットンを使用して、肌に残った汚れや古い角質(肌の表面に存在する死んだ細胞)を取り除くタイプの化粧水です。保湿成分を与えるというよりは汚れを取り去ることを目的としているので保湿力は弱くなります。

ただ、ふきとり化粧水にはピーリング効果(肌の表面の角層を柔らかくして溶かして剥がす作用のあるもの)があるのでやわらかく、透明感のある肌に仕上がります。また、ふきとり化粧水は「フレッシュナー」と呼ばれることもあります。

ふきとり化粧水には、肌を柔らかくする成分あるいは古い角層を溶かすAHA,BHAといった酸などが配合されています。

ふきとり化粧水についても毎日の使用はおすすめできません。コットンで肌をこする行為は刺激を与え、シミの発生にもつながるからです。

スペシャルケアとして使用する分には、肌の生まれ変わりを高め、汚れだけでなく溜まったシミも排出できるので良いアイテムといえます。

もしもあなたが毎日使用している化粧水が「収れん化粧水」あるいは「ふきとり化粧水」であれば、保湿化粧水か目的別化粧水を買い足すことをおすすめします。

目的別化粧水

目的別化粧水とは、美白化粧水やニキビ用化粧水、次に使うアイテムの浸透を高めるプレ化粧水など目的に合わせて使う化粧水のことです。プレ化粧水は「導入化粧水」「ブースター化粧水」と呼ばれることもあります。

これらの目的別化粧水は保湿よりも、美白効果をだすこと、ニキビの炎症を抑えることなど他の目的を重視しているため、保湿力が劣ってしまう化粧水も存在します。

美白成分や抗炎症成分ももちろん大切ですが、保湿成分がきちんと配合されているかも確認してより保湿力の高い目的別化粧水を使用するようにしましょう。

「トーク成分」にまどわされない

「トーク成分」とはその商品を販売する上で一番売りにしている成分のことです。

例えば、「天然植物エキス30種類配合」を謳っている化粧水の場合、消費者には肌にやさしく植物の力で肌をうるわすイメージを与えることが可能です。しかし残念ながら実際に配合されている植物エキス一つ一つは1%以下、おそらく0.1%以下ひどい場合には0.01%以下ということもあります。

植物エキスの数が多いからといって大量に配合されているわけではありません。植物エキスの原料費は高い上、高配合するとアレルギーなど肌トラブルを引き起こす可能性があるからです。

その他、高級ブランドシリーズなどで「独自の保湿成分〇〇コンプレックス配合」とそれらしい名前をつけて大々的に宣伝している商品を見かけます。これについても配合量は数パーセント以下、独自成分の正体は植物エキスと他の成分を混ぜ合わせただけというトリックも使われています。

化粧水の場合、ほとんどが水でできているので、トーク成分と香料を除けば高級ブランドの化粧水もドラッグストアで販売されている化粧水も基本的に使用されている保湿成分、基剤(化粧品を構成する骨格となる基本成分)に大きな違いはありません。

もちろんトーク成分に美容効果が全くないわけではありません。しかし、70~80%が水でつくられた化粧水に大金をかける必要はないのではないでしょうか。

トーク成分に目を向けるのではなく、一般的な保湿成分を確認することが、賢い化粧水選びといえます。

代表的な保湿成分とその働きについて

では、化粧水に配合される代表的な保湿成分について紹介します。この中で紹介する保湿成分は保湿効果が高く、メーカーにもよりますが配合量もきちんと含まれていることが多い成分です。

保湿成分の働き別に分類すると「肌の中に水分を抱え込む保湿成分」「外気の水分を肌の中に取りこむ保湿成分」「肌の水分蒸発を抑える保湿成分」の3つに分けることができます。

肌の中に水分を抱え込む保湿成分

水を抱え込むタイプの保湿成分は一般的に高粘度の粘液質(とろみ)をもちます。そして塗布後は肌に皮膜をつくります。

・ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は1gで約1リットルもの水分を保持することができます。

・コラーゲン、エラスチン

肌の弾力をキープするコラーゲン、エラスチンも保湿成分として化粧水に配合されます。

外気の水分を肌の中に取りこむ保湿成分

・天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)

天然保湿因子とは、お肌にもともと存在する水分を保持する成分です。アミノ酸(グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、プロリン、リシン、グルタミン酸、トレオニンなど)、ピロリドンカルボン酸、乳酸、尿素などが該当します。

・糖類

保湿力を持つ糖類としては、ソルビトール、マンニトール、グルコース、トレハロースなどが挙げられます。ただし糖類ですので配合量を増やすとベトついたり、細菌が繁殖しやすくなったりします。

・多価アルコール

名前に「アルコール」とついていますが一般的なアルコールであるエタノールとは違います。多価アルコールであるグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコールは、ほとんどの化粧品に配合されていると言っても過言ではない代表的な保湿成分です。

一般的に安全性が高く安価な上保湿力にも優れているため、多く配合されています。

肌の水分蒸発を抑える保湿成分

・脂質

化粧品に保湿成分として用いられる脂質にはセラミド、スフィンゴ脂質、コレステロール、リン脂質などがあります。肌の一番表面の層である角質層の隙間をうめて肌の奥の水分の蒸発を防ぎます。

この中でも特に保湿効果が高いといわれている成分がセラミドです。保湿効果だけでなく、肌のバリア機能を高める効果ももっています。

一般的なセラミドは油溶性(油に溶ける)ので水には溶けません。よって化粧水への配合は難しく、含まれていたとしてもごく少量であるトーク成分です。

しかし、水溶性セラミドも存在します。セラミド配合の化粧水を選ぶのであれば、水溶性セラミドが配合された商品を選びましょう。ただし、セラミドは高価な原料です。配合量が多いと化粧水の価格も必然的に高くなってしまいます。

リン脂質の一種であるレシチンは、水にも油にも溶ける性質をもっています。よって化粧水にも容易に配合できます。

化粧水を選ぶさいは、パッケージにある全成分表示を見て、役割(分類)の違う保湿成分がそれぞれ配合されているか、そしてその配合量も比較してみましょう。

配合量は表示されていないので正確には分かりませんが、化粧品の場合「1%以上配合している成分については配合量の多い順に並べなければいけない」という規則が存在します。

つまり表示成分の最初の方に名前のある成分は配合量が多いと推測することができます。

まとめ

「化粧水は種類が多すぎて何を基準に選んでいいか分からない」という方も今回紹介したポイントを抑えれば、保湿効果の高い化粧水を賢く選ぶことができるでしょう。

ただし、成分は人によって肌に合う合わないがあるので保湿力の高い化粧水=自分に合った化粧水ではありません。

また、保湿力が高いとベタつきを感じる方もいます。その人の肌にとって十分な保湿を目指す必要があります。自分の肌に合った化粧水を見つけるには、さまざまな商品を試してみることも大切です。

これらを参考に「自分のお気に入りの化粧水」をぜひ見つけてください。