「美白したい」と思ったら、まず考えつくのが美白化粧品ではないでしょうか。

美白化粧品ならコストをかけずに手軽に試すことができます。一方で、一回でも即効性のある医療の力を使った美白ケアも注目されるようになってきました。

医療で美白とはどのようなことをするのでしょうか。そして、どんなメリット・デメリットがあるのかについてもみていきましょう。

健康保険は適応外!医療美白のコストはいくらくらい?

皮膚科・美容外科で診てもらえば、シミやくすみの改善は健康保険を使って治療できるのではないかと考える方もいらっしゃると思います。しかし、基本的に美容行為は保険が適応されません。自己負担で治療を受けることになるのでそれなりにコストがかかります。

しかし特定のシミ・ホクロ・アザなどについては、医師によって「治療が必要」と判断された場合は保険適用で治療してもらうことができます。

それでは自己負担でクリニック・病院で美白メニューを受けた場合、どのくらい費用が必要になるのでしょうか。

病院・クリニック・施術内容・コースなどによって大きく変わってきますが、数万円から数十万円程度かかると考えておいたらよいと思います。

「特定のシミのみ薄くしたい」という場合は、治療箇所の範囲が狭いので比較的コストは抑えられます。「顔全体のトーンアップをしたい」という場合は、数十万円かかります。

また、内容によっては継続して通う必要があり、お金だけではなく時間もかかるでしょう。その他にも麻酔代や薬代が必要であったり、アフターケア用の専用化粧品を購入したりすればさらにコストはかさみます。

医療で美白するにはどのような方法があるの?

それでは、現在美白のための医療行為として一般的に利用されている方法について紹介します。主な美白方法として、「光照射」「エレクトロポーション」「点滴」「注射」「ケミカルピーリング」の5つが挙げられます。

光照射

もともと医療現場で光照射は、ケガ・火傷の跡やアザ、悪性のホクロの治療に用いられてきました。

それが近年美容分野での需要が高まり、美容に応用できる光照射技術が開発されてきています。

美容クリニックや皮膚科によって光照射の名前はさまざまですが「レーザー」「フォトフェイシャル」と呼ばれるものは光照射に分類されます。

ここで光の照射がどのように肌に影響を与えるのか説明する前に光の波長の基本について述べます。

X線も紫外線も赤外線もラジオ波もすべて光(電磁波)です。これらは波長の長さによって分類されています。波長が短いほどエネルギーが強く人にダメージを与えますが、透過力が弱いという特徴をもっています。逆に長い波長はエネルギーが弱いものの透過力が高いため、体の中まで通過します。

太陽から地上に降り注ぐ紫外線には、波長の短いUVBと波長の長いUVAの2種類存在します。UVBは肌の表面にダメージを与えシミの元となるメラニンを発生させます。一方、UVAは波長が長いため表皮の奥まで通過しメラニンを発生させたり、真皮で肌の弾力を維持しているコラーゲンやエラスチンを破壊したりします。

光照射では、UVBやUVAよりも波長の長いさまざまな光(レーザー)を使ってメラニン色素を破壊したり、真皮部分に熱を与えてコラーゲンの生成を促進させたりします。したがって、美白効果、リフトアップ効果が期待できます。

レーザー治療では基本的に単一波長のエネルギーの強い光を使います。そのため肌の奥にできたシミやほくろ、アザなど特定の部分にのみ照射します。レーザーは照射の際、痛みを伴うことが多く、治療後に肌を休ませる必要があります。

一方でフォトフェイシャルと呼ばれる治療法では、波長の長いエネルギーの弱い光を組み合わせてさまざまな効果をもった光を顔全体に照射します。肌の表面のシミやニキビ、毛穴、小じわ、肌全体のトーンアップといった幅広い美容効果が期待できます。フォトフェイシャルの場合はレーザー治療ほど痛みを伴いません。

レーザー照射は一回の治療で効果が得られるのに対し、フォトフェイシャルは一度では効果を感じにくく、回数を重ねる必要があります。

エレクトロポーション(電気パルス)

エレクトロポーション(電気パルス)も美白に効果があるとして、医療技術を用いた方法が利用されています。エレクトロポーションとは肌に電気を流して肌に一時的に隙間を設け、薬剤や美容成分を肌の奥に注入する方法です。

分子量の大きい美容成分や不安定な成分は、肌に塗布しても浸透は難しく肌の中で効果を得ることができません。そこでそのまま成分を届けるために細い針で注入することがあります。しかし、肌を傷つけてしまう可能性があるためエレクトロポーションの方が優れた技術であるといえます。

エレクトロポレーションと似た導入法として「イオン導入」があります。イオン導入も弱い電流を流して電気的なバリアを弱め、イオン体の美容成分を肌の奥に届けることができます。しかし分子量の大きい成分、イオン化できない成分はイオン導入を用いることができません。

一方でエレクトロポレーションは肌の脂質二重層(細胞膜の基本構造)を電圧で不均一にして、一時的に隙間を空けるという手法を用いているため、細胞を傷つけることなく、さらに注入する成分の構造に関係なく美容成分を肌の奥に届けることができるのです。

点滴

点滴とは、薬剤を静脈内(血管のひとつ)に少量ずつ直接投与する方法です。

点滴で投与した成分は消化器官を通らないため、分解されたり排出されたりすることなく高濃度の状態でムダなく取り入れることができます。この点がサプリメントとの大きな違いです。

実際に医療で点滴は、栄養の必要な食欲の低下した患者、下痢などで脱水症状に陥っている患者などに用いられます。

それでは美白点滴とは一体どのようなものなのでしょうか。一般的に、ビタミンCを含んだビタミン剤やプラセンタ、酵素、ミネラルなどが高濃度で配合された美白溶剤を点滴します。

単一成分の点滴も存在しますが、いくつもの美白・美容成分を組み合わせた「カクテル点滴」と呼ばれるものが人気のようです。

また、最近では海外セレブが短期間で小麦肌から美白に成功したとして話題になっている「グルタチオン点滴」にも注目が集まっています。

グルタチオンとは、3つのアミノ酸であるグルタミン酸・グリシン・システインが結合した化合物です。

グルタチオンは生命の維持に欠かせない化合物であり、もともと私たちの体内にも存在しています。特に皮膚や肝臓に多いといわれています。しかし、加齢や紫外線などの影響で減少してしまいます。

グルタチオンには高い抗酸化力(酸化を防ぐ力)があり、過剰な活性酸素(老化やガンにつながる原因物質)によるダメージから守ってくれます。また、肝機能の向上や白内障(目の水晶体が白濁してしまう病気)の予防にも効果があります。

さらに美容面では、メラニンの合成も酸化反応で進むため、強い抗酸化力をもつグルタチオンがメラニンの生成を抑制します。したがって、美白効果やアンチエイジング効果が期待できます。

日本ではグルタチオンは医薬品に指定されており、自分たちの判断で摂取することはできません。残念ながら美白化粧品にも配合されていません。

グルタチオンを直接摂取したいという方は、グルタチオンが多く含まれる、ほうれん草やキャベツ、カボチャ、ブロッコリーを積極的に食べるようにしましょう。

病院やクリニックではグルタチオン点滴でグルタチオンを体内に取り入れることが可能です。美白効果だけではなく、アンチエイジング効果や健康面での効果も期待できます。

このように美白点滴では、美白成分を確実に体内に届けること、また化粧品には配合できない成分を取り入れることも可能です。

さらに点滴の場合、美白成分が全身に行き渡るため顔だけではなく体全体の美白も期待できます。

しかし美白点滴で効果を得るためには、月に最低一回は通い続けなければなりません。この場合、一回当たりの点滴時間は20~30分程度になります。

注射

注射も点滴と同様、体内の血管に薬剤や美容成分を効率よく送り届ける方法です。点滴は基本的に腕の静脈に針を刺して少量ずつ薬剤等を体内に送り込むのに対し、注射は皮下(皮膚の内部)あるいは筋肉内に高濃度の成分を一発で注入します。

広い意味では点滴も注射に含まれますが、針を入れる場所が違うこと、一回の注入量が違うことなどから効果のあらわれ方に違いがあります。

皮下注射や筋肉注射では成分が血管内に浸透して血液に入るまでに時間がかかりますが、その分効果の持続性は高いといわれています。一方で点滴は静脈内に直接送り込むため即効性があるのに対し持続力は弱くなります。

また、注射の場合は顔に直接針を刺して皮下注射することが可能です。例えば「ボトックス注射」や「ヒアルロン酸注射」などです。

ボトックス注射とはボツリヌス菌から抽出された毒素を使って、表情筋を麻痺させて収縮を抑制しシワを軽減あるいは消失させる治療方法です。シワだけでなく、小顔効果もあるとして海外セレブや芸能人などからも人気があります。

ヒアルロン酸注射はヒアルロン酸を直接肌に注射して内側からふっくらさせて、シワやほうれい線を消したりすることができます。

ヒアルロン酸とはもともと肌にある高分子で、水分をたくさん保持することのできる保水性をもっています。また、粘弾性(粘性・弾性をもちあわせた性質)もあるため、肌の弾力や潤い・なめらかさ・ツヤなどに大きく関わっています。

ヒアルロン酸注射は唇の厚みをもたせる目的でも利用されています。

ただし、顔に直接薬剤を注射する場合、針によって肌の細胞を傷つけてしまう可能性があります。

ケミカルピーリング

ピーリングは肌の表面の角質層の部分を酸で溶かして肌の生まれ変わりを高めます。市販で売っているピーリング剤を使って自分でピーリングも可能ですが、皮膚科や美容外科で行っているケミカルピーリングとは配合されている酸の濃度が大きく異なります。

強力な薬剤を使用する分、市販のピーリングに比べて即効性はありますが、肌トラブルを生じるリスクもあります。

ケミカルピーリングでは、メラニンの排出を促進してシミやくすみの改善効果が得られたり、細胞の再生を高めるため肌のトーンアップにつながったりするなどの美白効果が得られます。

また、美白以外にもシワやニキビ治療、毛穴のざらつきを解消することもできます。

ケミカルピーリングの効果を得るには、肌の状態、個人差によって大きく異なってきますが、クリニックに5~10回程度は通う必要があるようです。

医療の力を借りて美白するメリット・デメリットについて

主に皮膚科や美容外科で実施されている主な5つの医療美白、光照射・エレクトロポーション・点滴・注射・ケミカルピーリングについて詳しく紹介しましたが、これらのメリット・デメリット両方を知っておく必要があります。

メリット

医療の力を借りて美白治療を行うことで、人によっては劇的な効果を即時に得ることができます。ホクロや奥深いシミ、傷跡は美白化粧品では改善することができないため、治療を検討することもひとつの選択肢です。

顔の気になる部分がコンプレックスとなり、コンシーラーや髪の毛でひたすら隠したり、人と目を合わせて話せないといった場合には、治療が効果的です。

デメリット

まずはコスト面です。医療の力を借りた美白治療では基本的に保険が効かないため、効果を得るあるいは効果を持続させるにはそれなりの金額を払う必要があります。一回当たりの料金ではなく、総額いくら必要なのかをきちんと把握しましょう。

続いて時間です。納得した効果を得るためには回数を重ねる必要があります。お金だけでなく、時間も割かなければならないことを覚えておきましょう。

また、医療行為には必ず副作用が存在します。

・光照射の副作用

光照射では、光の熱によって火傷をおったり、レーザーによって肌が炎症をおこし炎症性の色素沈着で逆にシミが濃くなったりしてしまうこともあります。また、施術後は肌が敏感になっているため紫外線を浴びるとシミができやすい肌状態になっています。

さらに、「肝斑(かんぱん)」と呼ばれる女性ホルモンのバランスの乱れによって生じるシミには光照射は効果がないといわれています。多額のコストと時間をかけて治療を行っても効果がなければ意味がありません。シミの種類にも注意する必要があります。

・エレクトロポーションの副作用

エレクトロポーションは比較的安全な技術といわれていますが、導入する成分によってアレルギー反応や、電気刺激による肌荒れを起こすことがあります。

・点滴、注射の副作用

点滴や注射で恐ろしいのがアレルギー反応です。特に点滴の場合は薬剤が血液中に一瞬で入り込むため、急激なアレルギー反応を生じる場合があります。発疹や蕁麻疹、重症な場合には呼吸困難に陥ることがあります。

また、針を使用するため感染症のリスクもあります。細菌やウィルスが入りこんで重篤な感染症を引き起こす可能性があります。

さらに、美白点滴や注射でよく使われる「プラセンタ」は、一度施術を受けると献血ができなくなります。プラセンタとは胎盤から抽出されるエキスで、美白効果を含めた幅広い美容効果が期待できる成分です。

化粧品やサプリメントに含まれているプラセンタは動物由来のプラセンタで、献血をしても問題ありません。一方で、医療用に使われているプラセンタはヒト由来のプラセンタであり、医薬品に指定されています。

ヒト由来のプラセンタは特定の感染症のリスクが排除できないため、日本赤十字社は「ヒト胎盤エキス(プラセンタ)の注射や点滴を受けたことのある人の献血を制限する」としています。

つまり、一度でもプラセンタ注射や点滴を受けると、献血はできなくなります。

・ケミカルピーリングの副作用

前述した通り、ケミカルピーリングでは強い薬剤を使うため、人によっては肌荒れをおこしたり、ピリピリ・ヒリヒリといった副作用があらわれたりすることがあります。

また、施術後は肌が敏感な状態のため、紫外線に対しても敏感になってしまいます。紫外線対策をいつもより入念に行いましょう。さらに炎症が長引いてしまうと炎症性色素沈着でシミができてしまうことがあります。

このように、医療の力を借りた美白治療では美白化粧品にはない効果がある一方、副作用という大きなリスクがあることに注意しましょう。

医療の力を借りなくてもセルフでできるものも!

高い費用をかけ副作用のリスクを背負ってクリニックに通わなくても、自宅でこれらに近いケアをすることは可能です。

光照射の場合、波長の長い光を使った美容機器が販売されています。ハンドサイズの器械を肌に当て、光を照射するだけの手軽なアイテムです。また、通院の必要もなく時間の空いたときにケアできるのもメリットです。

エレクトロポーションも家庭用品が販売されています。少し価格は高くなりますが、クリニックに何度も通うことを考えれば安いのではないでしょうか。またエレクトロポーションに似た作用をもつイオン導入の美顔器は手ごろな価格で販売されています。

ただし、導入できる美容成分が「クリニックで使用される医療用のもの」と「セルフで使えるもの」とでは大きく異なってきます。

ピーリングについても同様です。医療用ほど強い薬剤は配合されていませんが、ドラッグストアでセルフケアピーリング剤はさまざまな種類が販売されています。酸で剥がすタイプ以外にも、スクラブを使ったものやパックで物理的に剥がすものなどがあります。

まとめ

現代の医療技術を使えば、納得できる美白効果を得られる可能性があります。しかし、費用・時間・副作用などのリスクがあることにも注意しましょう。

そして、いくら治療で美白を手に入れてもその効果は永久に持続するわけではありません。美白スキンケア・紫外線対策を行わなければすぐに肌は元に戻ってしまうでしょう。美白ケア・紫外線対策にプラスして施術を受けるかどうか考えてみましょう。