美白に熱心なママの中には、子どもにも「小さい頃から紫外線対策を入念にして色白・美肌をキープさせたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、美肌のためだけではなく「将来皮膚ガンにならないために子どもの紫外線には気をつけている」というママは多いでしょう。

紫外線は肌の細胞を傷つけ、皮膚ガンの発症や皮膚の老化を加速度的に進めます。そのため、赤ちゃん・子どもにも紫外線対策をきちんと行うことが重要です。しかし行き過ぎた紫外線の防御はかえって悪影響をもたらしてしまいます。

赤ちゃん・子どもへの正しい紫外線対策における知識を身につけることが大切です。

紫外線が体にもたらす悪影響

子どもを持つ母親にとって、やはり一番気になるのが「皮膚ガン」なのではないでしょうか。

紫外線の吸収によって皮膚ガンが発症する

過度に紫外線を浴びることで皮膚ガンが発症しやすくなるということは事実です。

紫外線は皮膚の細胞にダメージを与え、DNAに傷をつけます。度重なる傷がDNAの遺伝情報に異常をもたらしガン化してしまうと考えられています。

現在日本では、皮膚ガンの患者数が増えてきています。WHO(世界健康保健機関)の発表によると、世界的に見ても過去10年以上皮膚ガンは増加しています。

これは環境破壊と大きく関係していると考えられます。地球を覆っているオゾン層は、紫外線の多くを吸収して、生態系を紫外線から守る役割を果たしています。

しかし、私たちが普段エアコンや冷蔵庫などで使用しているフロンガスによってオゾン層が破壊され、地球上に今までより多くの紫外線が届くようになっているのです。

つまり私たちが子どもの頃とは、紫外線の強さが変わってきている可能性があります。環境破壊が続く限り、これから更に紫外線の降り注ぐ量が増加することも予想されます。

美肌に影響を与える

紫外線は美肌の敵です。紫外線は肌の奥まで通過し、肌の弾力をキープしているコラーゲンを破壊したり、メラニン細胞を刺激してシミを生成させたりします。その結果、シワやたるみ、シミといった美肌に望ましくない影響が表れます。

とは言っても子どもと大人の肌の生まれ変わりのスピードは、大きく異なります。「肌の再生力が高いのであれば紫外線を浴びても問題ないのでは?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし子ども、特に赤ちゃんでは肌の構造がまだきちんと形成されていないため肌が薄く、バリア機能も弱いため非常にデリケートな肌状態なのです。そのため紫外線のダメージをダイレクトに受けてしまいます。

日本小児皮膚科学会の見解

日本小児皮膚科学会では、子どもの紫外線対策について以下のように記しています。

日焼けは日光の紫外線で起こります。紫外線をたくさん浴びすぎると、

① しわやしみなどの皮膚老化を早める
② 将来、皮膚ガンを起こしやすくなる
③ 目の病気(白内障、翼状片、網膜のメラノーマというガンなど)を起こしやすくなる

ということがわかっています。
赤ちゃんのうちから、強い日焼けをしすぎないように注意してあげることは、生涯健康で過ごすために、とても大切なことです。

引用元:日本小児皮膚科学会 お役立ちQ&A

やはり紫外線は、子どもにとっても美肌への影響・皮膚ガンへの影響があるということがわかります。そして、なるべく早くから紫外線対策をすることでこれらの影響を防ぐことができるのです。

赤ちゃん・子どもにとって、ある程度の紫外線は必要

「子どもに紫外線の害を与えないようにしよう」と赤ちゃんの頃からベビーカーを遮光シートで覆ったり、全身に日焼け止めを塗ったりと、完全な紫外線の遮断をしたくなる母親もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし紫外線が様々な悪影響を及ぼすからといって、完全にカットするのは良くありません。最近、過度な紫外線防御による健康への影響が問題視されています。

紫外線UVBは体内でのビタミンD合成に不可欠

紫外線は100%有害ではありません。太陽から降り注ぐ紫外線の波長のひとつであるUVB(B派)を体が浴びることで、ビタミンDが合成されます。

さらに詳しく説明すると、ビタミンDにはいくつも種類がありそのうち体で効果を示すのがビタミンD2とビタミンD3です。

ビタミンD3は、皮膚のコレステロールの一種がUVBを吸収することでビタミンDの元となるプレビタミンD3となります。さらに肝臓や腎臓で働きの高い活性型ビタミンD3となって様々な作用を発揮します。

しかし、洋服や日焼け止めでUVBは遮断されるため過度に紫外線対策を行っていると体内でビタミンDが合成されず、ビタミンD不足に陥ってしまうのです。

ビタミンD不足がもたらす影響

では、一体ビタミンDが不足すると体にどのような影響をもたらすのでしょうか。

ビタミンDはカルシウムの体内作用に大きく関与しています。ビタミンDが欠乏すると、小腸や腎臓でのカルシウムの吸収量が低下してしまうのです。

そのためカルシウム不足から、小児ではくる病(骨の骨格異常)、成人では骨軟化症(骨の石灰化障害)の発症リスクが高まります。また、高齢者では骨粗鬆症による骨折を引き起こしやすくなります。

さらに最近ではビタミンDと妊娠力に関する研究結果が数多く報告されています。男性女性共に、ビタミンDが不足していると妊娠力に影響を与えることがわかってきました。

また、妊婦や授乳中の母親についてもビタミンDを十分に摂取することで、小児の湿疹を防げたり、生まれてくる子どものビタミンD値を高めたり、といった良い影響を与えられることが報告されています。

その他にもビタミンD不足は、血糖値や動脈硬化、皮膚の角化異常(皮膚の表の層が厚く固くなる皮膚疾患)、免疫力の低下、自閉症(コミュニケーションに障害をもつ脳機能異常)、うつ、アレルギー症状とも関連していると考えられています。

日本人に不足しているビタミンD

健康の維持や様々な疾患とも関連しているビタミンDですが、多くの日本人はビタミンDが不足していると言われています。

特に近年、小児のビタミンD欠乏性くる病の発症率が増加していることが問題視されています。くる病は、「日本が貧しかった時代の栄養不足に陥った子どもが発症する過去の病気」として位置づけられてきました。

しかし、過度な紫外線防御・アレルギー対策による食事制限・完全母乳育児によってビタミンDが不足していることが、くる病を発症する子どもを増加させている要因ではないかと考えられています。

母乳には十分量のビタミンDが含まれていないため、母乳で育児をする場合はビタミンDの多く含まれる食品やサプリメントを摂取することや、離乳食で豊富なビタミンDを摂れるよう注意することなどが重要です。

日本はそもそものビタミンD摂取基準が欧米諸国などと比べると低く設定されています。アメリカと比較すると日本の摂取基準は半分以下となっています。

これには、ビタミンDは食事から摂取するだけではなく紫外線によっても合成されることから「正確な摂取量を設定することは難しい」と様々な意見があります。また紫外線の影響は、地域・気候さらには皮膚の色によっても左右されるため一律に表現することが難しいのです。

日照時間の短いヨーロッパの国では積極的にビタミンDを摂取しています。例えばオランダでは、生後8日目の新生児から4歳まで母乳・人工ミルクに関わらずビタミンDのサプリメント(10マイクログラム)を毎日摂取させるのが一般的です。

赤ちゃん・子どもの正しい紫外線対策とは?

紫外線は浴びすぎると害ですが、過度な防御もビタミンD不足に陥る可能性があり、害となることが分かりました。それでは赤ちゃん・子どもへの正しい紫外線対策は一体どのように行えば良いのでしょうか。

紫外線を防御しつつ適度な紫外線を浴びる

「紫外線を浴びながら防御する」と聞くと矛盾している様にも聞こえると思います。具体的な方法を見ていきましょう。

顔は日焼け止めや帽子などで紫外線をカットし、体の一部を太陽に浴びせるようにしましょう。

この時の露出の目安として環境省は、「真夏の正午に体の25%を露出して約3分間」「真冬の正午に12%露出して約50分間」外出すると一日当たりの必要量である400IU(10マイクログラム)のビタミンDを産生することができるとしています。

一方で、山登りや海水浴といった屋外で長時間紫外線を浴びる場合はしっかりとした紫外線対策を行ってください。

赤ちゃん・子どもの日焼け止めの選び方

母親としては子どもにできるだけ肌に負担のかからない日焼け止めを選んであげたいと考えるのではないでしょうか。

「ベビー用」「低刺激」と表示されているから安心というわけではありません。赤ちゃん・子どもへの日焼け止めの選び方のポイントは以下の通りです。

・紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)を用いた日焼け止め

紫外線吸収剤(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル・t-ブチルメトキシベンゾイルメタン・オキシベンゾン-3・テレフタリリデンジカンフルスルホン酸)は肌に刺激を与えるため、肌が未完成な赤ちゃんは特に避けた方が良いです。

物理的に紫外線を反射させる紫外線散乱剤を配合した日焼け止め(紫外線吸収剤フリー、ノンケミカルと表示されることがあります)を選ぶことをお勧めします。

・SPF30程度

日常使いであればSPF(Sun Protection Factorの略でUVBを防ぐ指標)は「30」程度のもので十分です。PA(Protection grade of UVAの略でUVAを防ぐ指標)は「++」程度のものを選びましょう。

・ジェルタイプは避けて乳液タイプの日焼け止め

ジェルタイプはエタノールが高配合されていたり、水分が多いため成分が浸透しやすくなったりしており、肌に刺激を与える可能性があります。

一方で、乳液タイプの日焼け止めは紫外線吸収剤や散乱剤を分散させるために「シリコーンオイル」を配合していることが多いです。「シリコーンオイル」と聞くと「肌や髪に悪いイメージ」を持っている方が多いと思いますが、シリコーンオイルの良し悪しはアイテムによって異なります。

例えば、シリコーンオイルは被膜性(膜を張る機能)が高いため髪の毛に対してはカラーリングの色が入らなくなったり、トリートメント成分の浸透を妨げたりして悪い影響を及ぼします。

しかし日焼け止めの場合、シリコーンオイルの被膜性が紫外線散乱剤や吸収剤の肌への刺激を防いでくれるため良い働きをするのです。

従って「シリコーンオイルの配合された乳液タイプの日焼け止め」を選ぶと良いでしょう。

・強い日差しを浴びる場合は強い日焼け止め

海水浴など長時間太陽光の下で遊ぶ場合、低刺激な日焼け止めを塗っていても紫外線を遮断する効果が弱く、あまり意味がありません。

このような場合は「SPF50・PA++++・ウォータープルーフ(水をはじくもの)」の強い日焼け止めをたっぷり塗ることが重要です。日焼け止めは重ね付けした方が、効果が高いので2-3回塗りましょう。また、こまめに塗り替えることも大切です。

そして強い日焼け止めを使用した日は、必ずクレンジング剤を使ってきれいに落とすようにしてください。肌に残ると肌荒れを生じる可能性があります。

日焼けした場合の対処方法

もし赤ちゃんや子どもが日焼けして、肌が赤くなった場合はどうしたらよいのでしょうか。

日焼けは一種の火傷と同じ状態です。従ってまずは「肌を冷やすこと」が大切です。冷たいタオルを肌に当てるなどして肌の鎮静化を行いましょう。また、冷やすことでシミの発生を防ぐ効果もあります。

さらに、日焼けした直後に温かいお湯に触れると炎症が進んでしまうので、日焼けした日はぬるま湯のシャワーで済ますようにしましょう。

そして太陽をたくさん浴びた日は、ビタミンC・L-システイン・ビタミンE・エラグ酸といったメラニン(シミの元となる色素)生成抑制効果をもつ栄養素を豊富に含んだ食材を摂取すると良いです。

日焼け後どうしても肌が乾燥して気になる場合はワセリンを少し塗布しましょう。ワセリンは火傷に対しても患部を保護する目的で使われています。

ビタミンDは食事からも摂取できる

ビタミンDは紫外線からだけではなく、食べ物から摂取することもできます。きのこ類や魚の脂身に豊富に含まれています。しかし必要量を食事のみから摂取することは困難です。

環境省が発表している資料によると、日本人の一日当たりの必要ビタミンD量は400-1000IU、10-25マイクログラムです。

引用元:環境省「紫外線 環境保健マニュアル 2015

表を見て分かる通り、一日の必要量を食事のみから摂取するのは難しいのです。従って、足りない量はサプリメントあるいは紫外線から補う必要があります。

ビタミンDの過剰摂取に注意

ビタミンには水溶性のものと脂溶性のものがあります。水溶性ビタミンは必要量以上に摂取しても余分なものは自然に体から排出されます。しかし、脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすく過剰摂取に陥るため摂取量には注意が必要です。

脂溶性ビタミンは、ビタミンA・ビタミンE・ビタミンKそしてビタミンDです。

ビタミンDを過剰摂取すると、体内のカルシウム量が増加し、腎臓や筋肉へのカルシウムの沈着や軟組織の石灰化(リン酸カルシウムや炭酸カルシウムの顆粒が沈着すること)が生じます。その他にも食欲不振や嘔吐、体重減少といった症状が表れることがあります。

赤ちゃん・子どものスキンケアについて

最後に赤ちゃん・子どものスキンケアについて述べたいと思います。

基本的に幼い頃からスキンケア用品を使うことはお勧めしません。ベビーローション・ベビーオイルなど様々なアイテムが販売されていますが、本当に赤ちゃんの肌に必要なものではありません。

前述した通り、赤ちゃんの肌は未完成で非常にデリケートです。下手にスキンケア用品を使用すると肌が荒れたり、過敏になったりして将来スキンケア化粧品が使えなくなってしまう可能性もあります。

乾燥がひどくかきむしったりする場合のみ、白色ワセリンを少し塗布するようにしましょう。ワセリンは石油を精製した油です。「石油」と聞くと肌に悪いイメージを持つ方も多いと思いますが、ワセリンは非常に安全性の高いアイテムです。

その理由として、「非常に酸化しにくいこと」「皮膚に浸透しにくいこと」が挙げられます。天然の植物油や動物油は酸化しやすいため安定性が良くありません。

一方で、ワセリンは安定しているため皮膚を刺激することなく、浸透もしにくいため非常にすぐれた素材といえます。

ベビーシャンプーやベビーソープについても極力使わない方が良いでしょう。泡の立つ洗剤で洗った方がきれいになった気がすると思いますが、外にほとんど出ない場合の体の汚れは、お湯で十分流れ落ちます。

泡の立つ洗剤や石鹸は、デリケートな肌には刺激になります。また洗いすぎる「過剰衛生」も良くありません。赤ちゃんや子どもにとってある程度の雑菌は必要なのです。雑菌に慣れておかないと免疫力(病原菌やウィルスから体を防御する力)の弱い子になってしまいます。

まとめ

赤ちゃん・子どもが過度な紫外線を浴びると、皮膚の老化を早めたり、皮膚ガンの発症リスクを高めたりしてしまいます。従って帽子や洋服・日焼け止めを使って紫外線を防ぐようにすることは大切です。

しかし紫外線を極端に遮断してしまうとビタミンD不足に陥り、体の成長や健康に悪影響をもたらしてしまいます。

紫外線を浴びすぎないようにしながらも、体の一部は露出して太陽光を吸収できるようにしましょう。

母親が独自の方法で紫外線対策を行うのではなく、正しい知識をもつことが大切です。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。