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美白に日焼け止めクリームは必須ですが、日焼け止めクリームは肌にいいものではありません。「それなら、日焼け止めクリームを使わない方がいいのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ただ、日焼け止めクリーム以上に紫外線は美肌によくありません。

そこで、極力肌に負担のかからないように「日焼け止めクリームを使いわける」「効果的に日焼け止めクリームを使う」ことを意識することが大切です。

日焼け止めクリームの正しい知識を持って、自分に合った日焼け止めクリームを選び、肌に負担のかからない使い方を学んでいきましょう。

UVA・UVBの意味

日焼け止めを説明する上で欠かせないのが、UVAUVBという紫外線です。紫外線のうち、地上に届くのはUVAとUVBです。これらの違いは波長の違いです。

UVAは波長が長く、紫外線としてのエネルギーは弱いのですが通過性が高いという特徴があります。つまり、UVAによる日焼けはおこしにくいですが、肌の奥まで通過するため、肌の弾力をキープしているコラーゲンを壊し、たるみやシワを引き起こすといわれています。

UVAは雲や窓ガラスも通り抜けることができるので、太陽の照っていない日や室内にいるときでもUVA対策は必要です。

一方でUVBは波長が短いため通過力は低いのですがエネルギーが高いため、肌を赤くすることで日焼けを引き起こします。UVBは日焼けだけではなく、肌の細胞を傷つけたり、炎症をひきおこしたりするため、肌にとって非常に負担のかかる紫外線なのです。

SPF・PAの意味

そこで紫外線を避けるため、日焼け止めを用います。このとき、日焼け止めの機能の判断指標になる「SPF」と「PA」について説明します。

SPFとはSun Protection Factorの略で、UVBを防ぐ指標として用いられます。「SPF50+」が最大値です。日常生活ではSPF30程度のものを選びましょう。

また、PAはProtection grade of UVAの略で、UVAを防ぐ指標として使われています。最大値は「PA++++」です。日常生活ではPA++程度のものを選びましょう。

つまり、現段階で最強の日焼け止めは「SPF50+/PA++++」と表記されます。

日焼け止めクリームの成分について

日焼け止めクリームには紫外線が肌に通過しないように「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤」のどちらか、あるいは両方が配合されています。

ファンデーションや下地、日焼け止めクリームのパッケージには、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の成分が表記されています。しかし成分名を知らないと、何がどれに該当するのか分からないと思います。そこで、一般的な紫外線吸収剤と散乱剤の成分について記します。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤は、その成分自体が紫外線を吸収して化学反応を起こし、熱エネルギーとして違う形で放出することで「肌に紫外線を届けない」という役割を果たします。ただし、紫外線吸収剤は肌の上で化学反応を起こすため、このときに肌に刺激を与えたり、肌に乾燥をもたらしたりします。

一般的に日本国内で使用されている紫外線吸収剤は主に以下の4つです。

・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

メトキシケイヒ酸オクチルと表記されている製品もあります。メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは最も一般的な紫外線吸収剤であり、強力なUVB防御効果をもちます。

効果が強い分、肌にも刺激を与えるので配合量の多いものは避けるべきです。配合量は実際に分析しないとわかりませんが、パッケージの表示成分は基本的に配合量の多い順で並んでいます。

目安として3番目くらいまでに「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」の表記がある場合、配合量が多いと考えてください。

・t-ブチルメトキシベンゾイルメタン

UVAを吸収する成分として最もよく使われています。

・オキシベンゾン-3

UVA、UVBの両方を吸収することのできる有能な成分です。海用の日焼け止めなど、SPF値の高い商品(UVBを防ぐ商品)によく使用されています。

・テレフタリリデンジカンフルスルホン酸

UVAを吸収します。不安定な構造をもっており、変質して肌に負担をかけることがあります。配合量の多い商品は避けましょう。

紫外線散乱剤

紫外線散乱剤は、その成分が物理的に紫外線を反射して肌を守る役割をもちます。散乱剤は吸収剤と比べてより自然な方法で紫外線を防ぐので肌に刺激が少なく、乾燥もおこしにくい成分といえます。そのため、紫外線散乱剤のことを「ノンケミカル(ノンケミ)」と呼ぶことがあります。

散乱剤の欠点は白い成分であるため、塗ったあと肌が白浮きするような仕上がりになる点です。しかし、最近ではこの欠点が改善された商品も多数販売されています。

・酸化亜鉛

酸化亜鉛は医薬品の軟膏にも使われる成分です。

・酸化チタン

アイシャドウなどメイクにも配合されている、白い粉状の成分です。金属アレルギーのある方は酸化亜鉛よりも酸化チタンを選んだ方がよいです。

酸化亜鉛も酸化チタンも昔から化粧品や医薬品に使われており、安全性が高い成分といえます。

日焼け止めの剤型について

日焼け止めにはクリームだけではなく、乳液タイプやジェルタイプ、スプレー、ミストタイプなどさまざまな剤型が存在します。それぞれメリットやデメリットがあるので、自分の肌や好み、生活習慣に合わせて使い分けましょう。

クリーム

実際に市場で販売されている商品の中で、クリーム状の日焼け止めは少ないです。クリームとなると肌の上での伸びが悪く、塗るのに時間がかかってしまいます。また量も必要になり、コストパフォーマンスが悪くなってしまうのです。

しかし、クリームは安定性に優れており、乳液タイプの日焼け止めに多くみられるように「塗る前に振る」ことで、成分の均一化を図る必要はありません。

乳液

最も一般的な剤型が乳液です。メーカーや日焼け止めの強さによって使用感が大きく異なります。粘度の低いシャバシャバな乳液は、成分が時間と共に沈殿してしまうため、塗る前に沈殿していた成分が均一になるように容器を振る必要があります。

しかし粘度が低い分、伸びはよく、コストパフォーマンスに優れています。

スキンケアに近い使用感をもつ乳液の日焼け止めは人気があります。一般的な日焼け止めであれば、どうしても塗布後にキシキシ感があり、気持ちよくないものです。

この点を改良した製品が、スキンケアのような使い心地の乳液タイプの日焼け止めです。ただし、使用感の優れている製品はSPF/PA値の高いものは期待できません。なぜならSPF/PA値を高くするにはキシキシ感の原因となる紫外線散乱剤、吸収剤を多く配合する必要があるからです。

「心地よい使用感」と「高い割合での紫外線遮断(SPF/PA値の高い製品)」を両立することはできないのです。

そのため、使用感の優れた乳液タイプの日焼け止めは日常使いにおすすめです。

ジェル

ジェルタイプは夏の暑いときに好まれます。清涼感があり、日焼け止め特有のきしみも少ないからです。伸びもよく、日焼け止めクリームが苦手な方でも使えます。

ただしジェルタイプは水が多いため成分が肌に浸透しやすく、肌の弱い人にはおすすめできません。

スプレー

スプレータイプはボディを中心に人気があります。全身に日焼け止めを塗るのは非常に面倒ですが、スプレーであれば簡単に全身に塗布できます。

ただし、スプレーにはガスが含まれており肌にいいものではありませんので顔への使用はおすすめできません。体への使用をおすすめします。

また、持続力も弱いのでスプレーしただけで終わりではなく、渇く前にきっちり手で塗り込むことが大切です。さらに、スプレータイプの日焼け止めは汗や水で流れてしまいやすいので、レジャーなどのときは2~3時間おきにスプレーすることも必要です。

また、同じようにガスを使って出てくる、ムースタイプのファンデーションといった商品も見かけますが、やはり刺激が強いので肌の弱い人は避けましょう。

ミスト

ミストタイプは非常に利便性が高いアイテムといえます。「手を汚さなくてすむ」という点が最大のメリットです。

メイクの上からでも使えますし、忙しいときに時間をかけることなく塗布することができます。ガスなどを含んでいない普通のボトルに入ったミストであれば、肌に負担もかからないのでおすすめです。

ただしミストタイプはSPF/PA値の高いものは期待できません。日焼け止めとしては、補助的に使うようにしましょう。

日焼け止めの自分に合った選び方

一番大切なことは日焼け止めをシーン、目的によって使い分けることです。

例えば時短用、デイリー用、レジャー用、ボディ用など4種類ほどもっていると便利です。

時短用日焼け止め

時短用は、「洗濯物を干す」「ちょっとコンビニに出かける」ときなどに使います。SPFもPA値も低いもので十分です。

剤型は塗る手間のかからないミストタイプで、色のついていないものがおすすめです。手を洗う必要がないので、ひと手間省くことができます。ポンプ式容器で乳液タイプのものも使いやすいです。すぐ手の届くところに出しておくと面倒くさいと感じることが減るでしょう。

デイリー用日焼け止め

デイリー用には、肌に負担のかからない紫外線散乱剤をメインに配合した日焼け止めを選ぶようにしましょう。また、汗には強く、お湯で簡単に落ちるものが理想です。

SPF値は30程度でPAも「++」あるいは「+++」くらいのものを選びましょう。SPFやPA値が強くなるほど紫外線をカットできるものの、それだけ肌への負担がかかることを忘れないでください。

夏はSPFやPA値の少し強いもの、冬は弱いものを選ぶと肌への負担を減らすことができます。特に敏感肌の人はデイリー用の日焼け止めは慎重に選んでください。敏感肌の人は、成分が浸透しやすい「水がメインとなる剤型(ジェルタイプやローション、ミストタイプ)」は避けましょう。乳液タイプかクリームタイプがおすすめです。

レジャー用日焼け止め

レジャー用はビーチに行くときやゴルフに行くときなど、長時間炎天下の下にいる可能性が高い日に使うようにしましょう。

やはり「SPF50+/PA++++」でウォータープルーフ(防水加工あり)の最強の日焼け止めを塗るべきです。敏感肌の人は肌への負担を考えて、値が高い商品の中でもなるべく紫外線散乱剤が多く配合されている日焼け止めを選ぶようにしましょう。

ボディ用日焼け止め

ボディ用は顔用と同じものを使用してもかまいませんが、顔ほど神経質に使い分ける必要はありません。

日常では日傘やカーディガンで紫外線をブロックするだけでも十分です。ただし、レジャーのときはSPF、PA値の高いスプレータイプの日焼け止めの使用をおすすめします。

日焼け止めの効果を最大限引き出す方法

自分に合った日焼け止めを見つけたなら、その効果を最大限に引き出すために必要な5つのポイントを紹介します。

1. 重ねづけをする

重ねづけを推奨するのは「レジャーのとき」あるいは「日差しの強い日で、途中で日焼け止めを塗り足すことが難しい日」のみです。

炎天下の中で私たちはどうしても汗をかいてしまいます。ウォータープルーフとはいえ、完全に日焼け止めが流れないわけではないので、重ねづけをするようにしてください。

朝、初めに日焼け止めを塗るとき、3回くらい繰り返して日焼け止めを塗ってからメイクをするようにしてください。重ねづけをするのとしないのとでは、日焼け止め効果は大きく異なります。肌への負担はかかってしまいますが、それ以上に強い紫外線を長時間浴びることは肌へダメージを与えてしまいます。

2. こまめに塗り替える

お化粧直しのときなど、メイクの上からデイリー用の日焼け止めを少し足すようにしましょう。

化粧が崩れるのを防ぎたいのであれば、ミストタイプの日焼け止めをメイクの上から振りかけても問題ありません。どうしてもメイクの上から日焼け止めを足すことに抵抗のある方はパウダーファンデーションを活用しましょう。

パウダーファンデーションの中にもSPF値の高い商品が存在します。メイク直しのときには、そのようなファンデーションを使ってカバーしましょう。

3. 1年で買い替える

日焼け止めに限らずメイクもスキンケア用品もそうなのですが、一度開封して空気に触れることによって中身が少しずつ劣化してしまいます。特に日焼け止めは肌に悪い成分ですので、劣化の進んだ製品を使い続けることはよくありません。

そのため、1年程度で買い替えるようにしましょう。さらに、日焼け止めは特に進化が著しいアイテムです。メーカーが毎年日焼け止めの新商品を販売するのは、それだけ中身がよりよいものに改良されているからです。

古くなった日焼け止めはボディ用に回すなどして有効活用しましょう。

4. クレンジングでしっかり落とす

何度も申し上げている通り、日焼け止めの成分は肌に悪いです。その日に塗った日焼け止めは必ずクレンジング剤を使用して、きっちり洗い流すようにしましょう。日焼け止めが肌に残ると炎症や毛穴詰まり、くすみを引き起こします。

5. リップケアも忘れずに

唇には日焼け止めを塗ることができません。その代わりに、日焼け止め効果のあるリップクリームを塗るようにしましょう。

唇は老化すると縦じわが増えて、口紅を塗ってもきれいなツヤがでなくなってしまいます。SPF値の表記されたリップクリームを持ち歩くようにしましょう。

まとめ

シミだけではなくあらゆる肌の老化を防ぐためにも日焼け止めは美容にとって必須アイテムです。しかし、その成分は肌に負担のかかるものですので、自分の肌、自分の生活スタイルに合わせて日焼け止めを上手く使い分けることが重要です。

日焼け止めを選ぶときは、「日焼け止めに含まれる成分(紫外線吸収剤または散乱剤)は何か」「SPF/PA値はどの程度か」「剤型は何がいいか」を考えて選ぶようにしましょう。

また、日焼け止めの効果を最大限引き出すためには「重ねづけをする」「こまめに塗り替える」「1年で買い替える」など大切なポイントがあります。

これらを参考にして、自分に合った日焼け止めを選び、正しい使い方をして、紫外線に負けない肌を手に入れてください。