世界的にみても、日本人の肌は美しいと言われています。海外へ行くと10歳以上若く見られることも珍しくありません。

その背景にはもちろん人種の違いや気候、食生活、水の影響などが挙げられますが、日本人が毎日「湯船に浸かる」という習慣も肌が美しいことと大きく関係があります。

昔からの日本人の習慣である入浴が、なぜ美容や健康に良いのかということが科学的にも分かってきました。

今回は入浴の効果を最大限得るための方法を説明していきます。

なぜお風呂に浸かる習慣が美肌をつくるのか

日本人にとって、「毎晩お風呂に浸かる習慣は当たり前だ」と考えている方は多いのではないでしょうか。

しかし、欧米諸国などの家にはバスタブさえ付いていないシャワールームのみの家が多く、一般的に湯船に浸かる習慣はありません。乾燥した空気や硬水(カルシウム・マグネシウムを多く含んでいる水)という水質によって、入浴すると肌が非常に乾燥してしまうためです。

一方、湿気が多く水質が軟水の日本では、昔からお風呂に入る習慣が根付いています。一体なぜ入浴が美肌を生み出すのでしょうか。

その理由としては「血行促進効果」と「ヒートショックプロテイン効果」が挙げられます。

血行促進効果

湯船に浸かり体が温まると、体内の血管が広がり血行が促進されます。また、湯船の水圧によって体の末端の血液が押し戻されて心臓に戻ることで、さらに血液循環を促進します。

血流が良くなると、体内の老廃物や疲労物質・コリが流れ、肌のくすみが改善されたり、疲れがとれたり、肩こりが治ったりするのです。

さらに体温が上がると基礎代謝(生命を維持するのに自動的に使われるエネルギー)がアップします。代謝が活発になることでダイエット効果や、肌の生まれ変わりが促進されて美肌効果が得られます。

ヒートショックプロテイン効果

「ヒートショックプロテイン(HSP)」とは、熱によるショックを受けると増えるタンパク質のことで、熱から私たちの体を守る役割を果たしています。

ある条件の下、体が熱ストレスを受けると、体内でヒートショックプロテインが増加して、細胞を守るように作用します。その結果、傷んだ細胞を修復したり、免疫細胞を活性化させたりすることが分かっています。

ヒートショックプロテインは美肌にも大きく貢献しています。ヒートショックプロテインの中には紫外線のダメージを修復する働きを示すものが存在し、シワの発生を防いだり、シミを減らしたりすると考えられています。

このように入浴習慣は、血行促進効果やヒートショックプロテイン効果によって健康・美肌につながるのです。

入浴剤の種類とその効果

入浴効果を高めたり、癒し効果を高めたりするのに入浴剤を用いる方は多いのではないでしょうか。入浴剤の種類とその期待できる効果についてまとめました。

・バスソルト

バスソルトは塩に香料や精油が加えられた入浴剤です。湯船に塩が加わることで浸透圧効果により体から水分が抜けようとします。これが発汗作用につながり老廃物や毒素を同時に排出できます。

市販の入浴剤の中にはお風呂専用のバスソルトが数多く売られていますが、家にある塩をひとつかみ湯船に加えるだけで塩風呂が完成します。このとき、人工的に作られた塩化ナトリウムを原料とした化学的な塩ではなく、ミネラルが豊富な天然塩や岩塩を用いるようにしましょう。

・炭酸入浴剤

炭酸入浴剤は、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムと酸を組み合わせてpH(酸性アルカリ性などの液性)を調整したもので、お湯に溶かすと炭酸ガスが発生します。炭酸入浴剤には、タブレット状のものや粉末タイプのものが存在します。

この炭酸ガスとは「二酸化炭素」のことで二酸化炭素が溶けた水を「炭酸水」と呼びます。

自宅でバスタブに炭酸入浴剤を入れるとシュワシュワと音を立てながら炭酸ガスが発生し水に溶けていきます。溶けてから2時間程度は炭酸風呂の効果が持続すると言われています。

炭酸ガスが水中で皮膚から吸収されると末梢血管(足や腕など末端の血管)を拡張する働きを示します。また、この炭酸ガスの皮膚の吸収量によって血液量が増加することが分かっています。

つまり、炭酸ガスが溶けたお湯に浸かることで末梢血管の拡張と血液循環の促進効果が得られるのです。さらに血行促進効果によって体表面の熱が全身に運ばれて体が芯から温まります。

その結果、冷えや肩こりが改善し、老廃物が流れることによって肌のくすみや肌荒れの改善効果が期待できます。また、炭酸ガス自体に皮膚表面の汚れを取り除く効果もあります。不要な角質や毛穴の汚れが除去できる美肌作用も炭酸風呂の魅力です。

・生薬系入浴剤

生薬系入浴剤は薬用植物を刻んでそのまま配合したり、生薬エキスを抽出し組み合わせて配合したりして作られた入浴剤です。日本人は古くから、健康や皮膚病など病気の治療のために薬草を入れてお風呂に入る知識を持っていました。

生薬系入浴剤に用いられている主な成分としては、トウキ、センキュウ、カツミレ、オウバク、ヨモギ、トウガラシ、ショウキョウ、甘草、ケイヒ、チンピ、ハッカなどが挙げられます。

これらの生薬成分の中には血行促進作用・温浴作用・抗炎症作用・鎮痛作用などを示すものがあり、冷えや肩こり、痛みの緩和、肌荒れなどの効果が期待できるのです。

また、生薬の持つ独特の香りがリラックス効果を与えることも分かってきました。そのため、癒し効果や疲労回復効果が得られます。

生薬系入浴剤を選ぶ際はその効果が厚生労働省に認められている「医薬部外品」のものを選びましょう。

・酵素系入浴剤

酵素系入浴剤とは、「タンパク質分解酵素であるパパイン酵素などが配合された入浴剤」を示します。

酵素のもつ消化機能を用いて肌の不要な角質や汚れを分解し除去することができます。

酵素系入浴剤を使うことでゴシゴシこすったりなどと物理的な刺激を与えることなく、やさしく洗浄することが可能です。

・スキンケア系入浴剤

スキンケア系入浴剤は美肌効果のある保湿成分や美白成分などが配合されたものを示します。

具体的にはホホバ油やスクワラン、セラミドなどの油分、植物エキス・米発酵エキスなどの美容成分、ビタミンCやアルブチンなどの美白有効成分を配合したものが存在します。

スキンケア系入浴剤を入れて湯船に浸かるだけで、全身スキンケア効果が得られるのではないかと期待される方も多いと思いますが、肌に塗布するスキンケア化粧品ほどの効果は得られません。

なぜならスキンケア系入浴剤は大量のお湯で薄められることになるので、これらのスキンケア成分の濃度はごくわずかになってしまうからです。

仮に入浴剤で、スキンケア化粧品ほどの濃度を湯船で実現すると原料費が跳ね上がり、1回の入浴に数千円以上のコストは必要になってくるでしょう。

従って、特に安価なスキンケア系入浴剤では美容効果はあまり期待できないと言えます。

自宅で作れる入浴剤

市販の入浴剤を使わなくても、自宅にあるもので入浴剤代わりになるものがいくつか存在します。そして、それらにはフルーツの皮や緑茶、お酒などが挙げられます。

・フルーツの皮

フルーツの皮ではみかんやオレンジ、レモンなどビタミンCを豊富に含んだ果物がお勧めです。ビタミンCによる美白効果と共に柑橘系の香りも同時に楽しむことができます。

ただし果物の皮には農薬が残っている可能性があるのでよく洗ってから入れるようにしましょう。

・緑茶

緑茶には豊富なビタミンCに加え、抗酸化作用・抗菌作用のある「カテキン」が含まれています。つまり緑茶風呂では、美白効果・アンチエイジング効果・肌荒れ改善効果が期待できるのです。

期限切れの緑茶や煮出した茶殻をパックに入れて湯船に入れるだけで、緑茶風呂が出来上がります。

・お酒

家にある日本酒やワインを用いたお酒風呂もお勧めです。

日本酒には天然の保湿成分や発酵成分、美白有効成分としても用いられる「コウジ酸」が含まれています。

また、飲みかけのワインを入浴剤代わりに用いる方法もあります。赤ワインの場合は豊富なポリフェノールによってアンチエイジング効果や美白効果が期待できます。

お酒は開封してしばらく置くとアルコールが抜けて味が低下してしまいます。しかし、アルコールが低下したお酒の方が入浴剤として用いるには刺激が低下されるため最適です。

美肌効果の高い入浴方法

せっかく入浴するのであれば、その効果を最大限に活かしたいのではないでしょうか。入浴剤を用いてお風呂に浸かる以外にも、美肌効果を得るために押さえておきたい入浴方法のポイントがあります。

お風呂に入るタイミング

食事直後の入浴は避けましょう。入浴をすると全身に血液が流れるため、胃腸の血流が弱まり消化機能が低下する可能性があります。

一方で食前に入浴すると、胃液の分泌が低下するため空腹感が和らぎます。さらに空腹時の入浴は脂肪を優先的に燃焼させることが期待できるのでダイエット効果につながります。

お腹が空いているときは、まず食事を摂ってその直後にお風呂と考えがちですが、この習慣を見直すことによって美容効果が得られます。

また、美肌のためには一番風呂を避けることも大切です。一番風呂は清潔感があって気持ちのいいものですが塩素の濃度が高く、体に吸収されてしまいます。

塩素は、水道水に含まれる病原菌や雑菌などを殺菌する目的で入れられています。人体に害のない基準に基づいて加えられていますが、やはり殺菌剤が体に吸収されるのは肌に良くありません。

ビタミンCや緑茶、炭、セラミックボールなどを浴槽に入れて塩素を除去する方法もあります。ビタミンCの場合は粉末状のものを小さじ一杯程度、緑茶の場合はティーバックに入れて浴槽に入れるだけで塩素の除去ができます。美容効果もあるため一石二鳥といえます。

炭やセラミックボールはお風呂専用の商品が販売されているので、それを用いるようにしましょう。

また塩素を除去できるシャワーヘッドに換えることで、髪や肌へのダメージを減らすことができます。

ヒートショックプロテインを増加させる入り方

ヒートショックプロテインはただお風呂に浸かるだけで勝手に増えるわけではありません。ヒートショックプロテインが増加するには、体温が38度程度に上がる必要があります。

そのため、ぬるめのお湯ではなく、40度から42度に湯船の温度を設定しましょう。そこに約20分間浸かることで体温は1.5度ほど上昇します。

そして、入浴後は急激に体温を下げないように気をつけましょう。エアコンの効いた部屋や冷たい風に直接当たらないようにしましょう。

このようにして増えたヒートッショックプロテインは、入浴の2日後に活性化のピークを迎えると言われています。そのため毎晩ではなく週に2,3日の頻度でこのような入浴方法を実施すれば、ヒートショックプロテインの効果を継続して得ることができます。

入浴前には脱水症を避けるために、コップ一杯の水を摂るようにしてください。

美肌に適した温泉は?

続いて、自宅以外の温泉施設やスパにはどのような泉質、効果、お風呂の種類があるのかについて見ていきましょう。

泉質とその効能効果

温泉にはその成分や温度、匂い、肌触り、pH、効果などそれぞれに様々な特徴があります。中でも肌に良いものを挙げました。

・アルカリ性単純温泉

アルカリ性単純温泉は、温泉水1kgに溶けている物質が1g未満で25度以上、pH8.5以上のものを示します。アルカリ性単純温泉は、水の肌触りが柔らかいのが特徴で、入浴後は肌がなめらかな感触になります。

不眠やうつなど精神疾患に良いとされています。

・塩化物泉

塩化物泉は、温泉水1kgに溶けている物質が1g以上で塩化物イオンを主成分とした泉質のものです。

塩分が主成分で飲むと塩辛く、日本には比較的多い泉質です。保湿効果や消毒効果があり、また湯冷めもしにくいと言われています。切り傷や冷え、皮膚乾燥症などに効果があります。

・酸性泉

酸性泉は温泉水1kgに水素イオンが1mg以上溶けている泉質を示します。

酸味があり、殺菌効果もある酸性泉はヨーロッパでは珍しいですが日本では一般的な温泉です。

アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬(皮膚疾患のひとつ)、表皮化膿症(皮膚感染症のひとつ)に効果があります。

・炭酸水素塩泉

炭酸水素塩泉は、温泉水1kgに溶けている物質が1g以上で炭酸水素イオンを主成分とした泉質のものです。

切り傷や冷え、皮膚乾燥症に効果があります。

・硫酸塩泉

硫酸塩泉は、温泉水1kgに溶けている物質が1g以上で硫酸イオンを主成分とした泉質のものです。

切り傷や冷え、皮膚乾燥症に効果があります。

このような泉質以外にも温泉の成分に「硫黄」が含まれていると、皮膚の角質を柔らかくする効果があったり、「みょうばん」が入っていると殺菌消毒作用、保湿作用が期待できたりします。

お風呂の種類

温泉施設やスパに行くと湯船以外にも様々な種類のお風呂があります。美容効果の高いお風呂にはどのようなものがあるのでしょうか。

・炭酸風呂

天然温泉の中には「二酸化炭素泉」という炭酸ガスが温泉水1kgに1g以上含まれている温泉も存在しますが、日本では希少価値の高い泉質です。

しかし、多くの温泉施設やスパには炭酸風呂があります。これは人工的に高濃度の炭酸ガスを溶かした炭酸風呂で、自宅で炭酸入浴剤を用いたものとは溶けている炭酸濃度が全く異なります。

従って、高濃度の炭酸ガスによる高い血行促進効果が期待できます。

・酵素風呂

酵素風呂とは酵素系入浴剤を用いた通常のお風呂とは全く異なるものです。米ぬかやおがくずの発酵熱(50~70度)を利用して入浴します。電熱を使わないのが大きな特徴です。

また入浴方法はお湯に浸かるのではなく、発酵した米ぬかや木のおがくずを床材として用い、その中に埋まるような形で入り体を温めるのです。

体が芯から温まることで免疫力が上がるため、がんの治療にも使われています。また、水に比べると体への負担が軽いため高齢者でも安心して入ることができます。

さらに美容面でも、酵素風呂に継続して入ることで老廃物が流れ、肌の新陳代謝が活性化され、肌が白くなると言われています。

・岩盤浴

岩盤浴とは天然石や岩石などを用いて温水や電熱で加熱し石から発生する遠赤外線を用いて体を温める温浴方法です。

発汗作用によるデトックス効果、またヒートショックプロテインの増加効果も期待できます。

まとめ

忙しい日常の中では「湯船に浸かるのは面倒」とシャワーだけで済ませている方も多いと思います。しかし入浴には血行促進効果・ヒートショックプロテイン増加効果による美白・美肌作用だけでなく、ダイエット効果や健康効果も期待できます。

豊かな水質に恵まれた日本で、湯船に浸からないのはもったいないとも言えます。入浴剤も活用しながら正しい入浴習慣を身につけましょう。

また温泉やスパに足を運んで入浴を楽しみながら、美肌を目指しましょう。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

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