「遺伝子コスメ」と聞くと「すごい効果があるのではないか」と期待する方が多いのではないでしょうか。

すごそうだから少々値が張っても購入する方もいらっしゃると思います。しかし、「遺伝子コスメが何か」をよく分からずに使っている方が大半ではないでしょうか。

遺伝子コスメは遺伝子に直接作用するものではありません。本当に直接遺伝子に働きかけるのであれば、それはガン化などのリスクを伴い危険です。

それでは遺伝子コスメとは一体どのような働きをするものなのでしょうか。今回は遺伝子コスメについて詳しく説明していきます。

遺伝子コスメとは?その定義は?

遺伝子コスメの明確な定義は存在しません。従ってメーカー独自の判断で「遺伝子コスメ」と呼ぶことができます。

遺伝子とは?

遺伝子コスメを理解する前に「遺伝子」が何かを説明します。遺伝子とは、「細胞の核に存在する体内データ」のことです。この体内データの材料がDNA(デオキシリボ核酸 : deoxyribonucleic acid)と呼ばれる物質です。

遺伝子に書き込まれているデータによって、私たちの体は必要なタイミングで必要なタンパク質を合成し、体を機能させているのです。

この必要なタンパク質が栄養素や血液・ホルモン・酵素を作ったり、またDNAを複製して新たな細胞を作ったり、DNAを修復して傷ついた細胞を復元したりしています。

体の組織毎に必要な時に必要なタンパク質を遺伝子情報から引き出して作っているのです。遺伝子情報からタンパク質を合成し機能することを「遺伝子発現」と呼びます。

遺伝子コスメとは?

では遺伝子コスメとは一体何なのでしょうか。一言で説明すると、「遺伝子の発現を高める役割を果たすことが期待できる成分を配合したコスメ」です。

肌の細胞で遺伝子の発現を高めることで、肌の機能を高める成分を作り出したり、ダメージを受けた細胞を修復したり、肌細胞を複製して新たな細胞を作り出したりすることができるのです。

「化粧品の成分で遺伝子の発現を高めることができるのか」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

まずは遺伝子のデータを解析し肌に機能する遺伝子を特定します。そして、その遺伝子が合成するタンパク質の機能を高める成分や、発現量を増やす成分を植物エキスからスクリーニング(選び出す)したり、アミノ酸から合成したりするのです。

遺伝子コスメは先に述べた通り遺伝子に直接働きかけるものではありません。あくまで遺伝子がつくり出すタンパク質の働きを高めるものです。

また肌細胞の複製や修復に必要なタンパク質を特定し、そのタンパク質の働きを高める成分を見つけることで肌細胞の再生・修復まで期待できます。

実際に存在する遺伝子コスメにはどのようなものがあるか

では、実際に販売されている遺伝子コスメにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

・時計遺伝子に働きかけるもの

肌は昼と夜で異なる機能を持っています。それは時計遺伝子によってコントロールされています。肌における時計遺伝子を特定しその働きを高めることが期待されています。

・「美肌スイッチ」をオンにするもの

肌の弾力を維持するコラーゲン・エラスチン、ハリやツヤの元になるヒアルロン酸を作り出す細胞の増殖や修復に関わっているあるタンパク質の働きを高め、美肌スイッチをオンにすることで美しい肌に導くことが期待されています。

・若い肌と加齢肌の遺伝子を特定して作り出されるタンパク質を調整するもの

「年齢に特徴的な遺伝子を特定することで、合成されるタンパク質も異なる」という研究結果を元に、若い肌に特有のタンパク質を増やし加齢肌に特有のタンパク質を減らすことで、アンチエイジングが期待できるというものです。

遺伝子コスメは「遺伝子組み換え」とは違う

「遺伝子組み換え食品が危ないのではないかと言われるように遺伝子コスメも安全なのか」と疑念をもたれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一部の食品で既に「遺伝子組み換え」技術が使われています。遺伝子組み換えとは、特定の機能を持つ遺伝子を別のDNAに組み込むことを指します。

例えば、遺伝子組み換えのトウモロコシでは害虫抵抗性を持つ遺伝子をトウモロコシのDNAに組み込み、殺虫剤をまかなくても害虫から守ることができるように遺伝子操作されています。

遺伝子組み換え技術が食品に応用されるようになってからの歴史は浅く、本当に安全なのかどうか、はっきり分かっていないというのが現状です。

アメリカでは遺伝子組み換え食品の出現と共にアレルギー疾患の白血病、ガンの罹患率が増えているため、遺伝子組み換え食品が健康に悪影響を及ぼしているのではないかと指摘されています。

しかし、遺伝子コスメは特定のタンパク質の働きを高める成分が配合されたスキンケアであり、人によってアレルギーを引き起こす可能性はありますが、遺伝子組み換え食品で心配されているような健康への悪影響は無いと考えられます。

私たちは普段知らないうちに遺伝子組み換え技術を使った食品を口にしている可能性はありますが、現在のところ遺伝子組み換え技術を応用した化粧品は存在しません。

遺伝子コスメの技術は薬では昔から使われている

遺伝子コスメは先に述べた通り「遺伝子の発現を高める役割を果たすことが期待できる成分を配合したコスメ」ですが、実はこの技術は昔から薬では使われています。

最も身近な例を挙げると「ステロイド薬」が該当します。

ステロイド薬は、炎症を抑えたり過剰な免疫反応を抑制したりする作用があります。ステロイド薬はアトピーや喘息、皮膚疾患など広く用いられている薬です。その作用機序のひとつに、「細胞内に入り炎症を抑制するタンパク質の発現を高める働き」があります。

遺伝子発現に働きかけて炎症を抑えるため、ステロイド薬は強い作用を示すのです。

遺伝子コスメにはステロイド薬ほど強い効果を持つ成分は配合されていません。副作用のリスクがあるためです。

遺伝子コスメと聞いて最新のバイオテクノロジーを応用した化粧品のようなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は昔から使われている技術なのです。

遺伝子検査をして個人に合った化粧品を購入できる?!

最近では、遺伝子検査をしてそれぞれ個人に合った化粧品を購入できるシステムを導入している化粧品メーカーも存在します。

例えば、個人のシワに関連する遺伝子、シミに関連する遺伝子、敏感肌に関連する遺伝子を調べてその人がどのような肌タイプなのかを特定してくれるというものです。その肌タイプに合ったスキンケア商品を提案してくれるようです。

その他にも遺伝子検査を行って個人個人に合わせたオーダーメイド化粧品を作ってくれるメーカーも存在します。

「自分に合ったスキンケアが見つかる!」と喜ぶ方も多いと思いますが、このような遺伝子検査を行って本当に自分の肌に合ったスキンケア商品を見つけることは難しいと考えられます。

なぜなら、肌質を見極めるための特定する遺伝子の数が少ないことに加え、オーダーメイド化粧品と言いながらも結局は何種類かの化粧品からその人の肌に合っているものを選んでいるに過ぎないからです。

コスメカウンターでビューティーアドバイザーさんに肌の水分量や皮脂量などを測ってもらって、商品を選ぶのと大差はないと考えられます。

さらに、コスメカウンターでのカウンセリングは一般的にサービスに含まれるため無料ですが、遺伝子検査は費用がかかります。

であれば、遺伝子検査にお金をかけるよりもスキンケア商品そのものにお金を費やす方が良いと言えます。

まとめ

今後も遺伝子コスメに限らず様々なテクノロジーを駆使した化粧品が開発されていくことが予想されます。現在は遺伝子検査もあまり期待できませんが、研究が進むにつれて本当に価値のある遺伝子検査、オーダーメイド化粧品が開発される日も近いかもしれません。

しかし、「それらしいテクノロジー名がついた化粧品」も存在します。本当に価値のある商品なのか見極めることができるようにしましょう。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。

オススメの美白化粧品と特徴の違い