HANAオーガニックは12年間無添加コスメの開発に携わった方が独立して、オーガニック基準を満たした国内メーカーと共同開発によってつくられたブランドです。

数あるオーガニック化粧品を試してきた私が今回、HANAオーガニックのサンプルを実際に試してみました。使用感や成分の解析などを行ってみたいと思います。

HANAオーガニックが家に届いた

HANAオーガニックでトライアルセットを注文すると1480円(送料無料)で以下のような豪華なものが佐川急便から届きました。

トライアルセット(モイスチャー)の箱以外には、「代表のメッセージ」「商品リーフレット」「会報誌」「商品案内と使用方法のパンフレット」「1回分の日焼け止めベースのお試しサンプル」が入っていました。トライアルセットからHANAオーガニックの自然の恵みをふんだんに活かした世界観が伝わってきました。

トライアルセットの中身はこんな感じです。

左からピュアリクレイ(洗顔料)、フローラルドロップ(化粧水)、ムーンナイトミルク(乳液)、アーユスオイル(美容オイル)、ウェアルーUV(UVベース:ピンクベーシュとイエローベージュ)です。

HANAオーガニックのブランドコンセプトについて

まずはHANAオーガニックのブランドコンセプトについて見ていきましょう。

オーガニック

HANAオーガニックは「オーガニック化粧品」に分類されます。

そもそも「オーガニック化粧品」の定義をご存知でしょうか。実は「オーガニック化粧品」には明確な定義が存在しません。言い換えればオーガニック成分を1成分だけほんのわずかに加えただけで「オーガニック化粧品」として謳っても問題ないのです。

従って、流通しているオーガニック化粧品の中には「オーガニックのイメージだけを利用した粗悪な化粧品」も存在するのです。もちろん「限りなく天然成分やオーガニック成分を使用した本物のオーガニック化粧品」も存在します。

本物のオーガニック化粧品であるかどうかは消費者が自分で判断しなければなりません。そこで一つの指標になるのがオーガニック化粧品の認定機関のマークです。この認定機関についても様々な種類があり、お金を払ってマークを買うだけのあまり意味のない認定機関も存在します。

オーガニック化粧品としての明確な認定基準を設けている機関としてフランスの「エコサート」、ドイツの「BDIH」、アメリカの「USDA」などが挙げられます。従って、「本当にオーガニック化粧品として信頼できるのか」というときには、このような認定機関のマークがついているかどうかを確認しましょう。

HANAオーガニックには残念ながらエコサートなどの認定機関のマークはついていませんでした。「もしかして、イメージだけなのか」と疑って配合成分を調べたところ、全ての配合成分の由来が表示されていました。

例えば、サンプルの「ムーンナイトミルク(乳液)」に配合されている「ステアリン酸ポリグリセリル-2」はいかにも石油由来の合成原料のような名前です。しかし、「ココナッツオイルやヤシ油から得られるステアリン酸とグリセリンであり、天然由来の界面活性剤」と示されています。

同じく「ステアリルアルコール」は「植物から得られる天然由来の界面活性剤」と表記されていました。

このように全ての配合成分の由来・説明が公開されていることは安心・信頼につながります。

その他にもHANAオーガニックは、

・95%以上は天然由来成分、またはスキンケアの植物原材料の85%以上はオーガニックのものを使う

・石油由来の成分は使用しない

・遺伝子組み換え操作を行った植物は使用しない

・合成防腐剤を使用しないで植物が持つ天然の防腐効果を利用

・石油系合成着色料であるタール色素の原料は使用しない

などの10の約束を掲げています。

皮膚常在菌バランスの乱れに着目

HANAオーガニックは、「オーガニック成分を活かして浄化と還元の両面からアプローチし、自律神経の乱れ・酸化によるダメージ・常在菌バランスの乱れを改善するように働きかける」と記載されています。

私が注目したのは「常在菌バランスの乱れ」です。近年、ヒトの腸内細菌の研究が進み、腸内細菌はただの菌ではなく人体の健康・美容に多大な影響を与えていることが分かってきました。栄養分の消化・吸収からビタミン・ホルモンの生産にも関わり、腸内細菌のバランスが精神状態にも影響していると考えられています。

腸の常在菌と同じように皮膚の常在菌も「皮脂膜を作る」「紫外線や酸化から肌を守る」「雑菌の繁殖を抑える」「肌の免疫システムを正常に保つ」などの働きも報告されています。

このように「皮膚の常在菌のバランスを保つことは美肌づくりにつながる」ということが考えられます。

HANAオーガニックには皮膚常在菌の善玉菌のみを活性化する成分として「バイオエコリア」という成分も配合されています。植物由来の糖を発酵酵素で分解することで、このような働きが得られるとのことです。

ニキビの原因菌であるアクネ菌は、皮膚の悪玉菌に分類されます。従って皮膚の常在菌のバランスを整えることはニキビケアにもつながると考えられます。

さらに、アトピー性皮膚炎では肌のバリア機能の低下が見られます。皮膚の常在菌の乱れによって肌のバリア機能が低下することから、常在菌のバランスを整えることはアトピーの悪化や予防にもつながると考えられます。

HANAオーガニックの商品展開と値段について

続いて商品について見ていきましょう。

商品展開

今回のトライアルセットに入っていたもの以外にも、以下のような商品が存在します。

・スポット美白クリーム(オーガニックホワイトクリーム)

医薬部外品の美白アイテムです。天然100%ビタミンC誘導体を有効成分としたオーガニックの美白クリームです。部分的なシミのケアに向いています。

・ホワイトケア美容液(ホワイトジェリー)

これは医薬部外品ではありませんがメラニンを抑制する美白成分が配合されています。

・洗顔石鹸(ピュアリキューブ)

・シャンプー(ピュアリシャンプー)

・唇美容液(フラワーリップエッセンス)

・全身トリートメント(ピュアリトリートメント)

ヘアクリームやボディクリームに使えます。

・フェイスパウダー(ウェアルーパウダールーセント)

・マルチカラークリーム(ウェアルーカラーヴェール)

リップやチークに使えます。

・目元用マルチパレット(ウェアルーマルチアイズ)

茶系なのでアイブロウ・アイシャドウ・ハイライトとしても使えます。

このようにHANAオーガニックにはスキンケア用品だけでなく、メイク用品からシャンプーに至るまで幅広い商品展開をしています。

商品価格

HANAオーガニックはネット販売のスキンケア商品としては高価格ブランドに位置すると思います。20代の方が使い続けるには少しハードルが高いのではないでしょうか。

しかし、初回限定割引やセットでの購入・定期便の申し込みで割引があります。

トライアルキットを使ったときの使用感

こちらのサンプルセットは1週間分なので肌の変化までは見ることができませんが、使い心地や配合成分などについてアイテム1つ1つ評価してみました。

・ピュアクレイ(洗顔料)20g

通常価格は150g、3334円(税別)です。

クレイ(泥)の色が見た目にもきれいです。

泡立てるとこのような感じです。泡立ちはあまりよくありません。

オーガニックにこだわっている洗顔料なので優しい洗い上がりを想像していたのですが、意外と脱脂力(皮脂を落とす力)は強いです。商品説明に「ナチュラルメイクであればクレンジング不要」との記載があったので洗浄力の高い洗顔料と言えます。

・フローラルドロップ(化粧水)15ml

通常価格80ml、2848円(税別)です。

スプレータイプの化粧水は使い勝手がいいので個人的に好きです。お風呂あがりにすぐに顔にスプレーでき、また日中乾燥を感じたときにメイクの上からでも簡単に吹きかけられます。

フローラルドロップを1プッシュすると細かい霧と共にダマスクローズを中心とした甘い天然の香りが広がり、リラックスした気分になります。ただサンプルの容器だけかもしれないのですが、1ケ所に霧が集中してしまう点が気になりました。

使用感として、少し刺激を感じました。全成分を見てみると3番目に「エタノール」の表記があり、アルコールリッチな化粧水であることが予想できます。

もう一つアルコール量が高いと考えられる理由としてHANAオーガニックの商品コンセプトとして「合成防腐剤を使用しない」ためにアルコールで防腐機能を高めていることが考えられます。

特に化粧水はほとんどが水なので、特に菌の繁殖などには気をつけなければなりません。従って、アルコール(エタノール)は高配合されていると考えられます。

つまりアルコールが合わない方、敏感肌の方にはフローラルドロップは向かないでしょう。

そしてフローラルドロップは「しっとり」が好きな方や乾燥肌の方の中には物足りなさを感じるかもしれません。

逆に「さらっとした使用感が好き」という方には向いていると言えます。私はこの化粧水のみでは少し乾燥を感じてしまいました。

グリセリンなどの保湿剤が配合されておらず、植物の精油が中心に処方が作られているので保湿力は弱いです。また、浸透力をアップする目的で配合されることの多い界面活性剤も不使用なので、浸透した感じも得られません。肌の表面でさらっと潤っている印象です。

一点気になったのが、使用方法のパンフレットの中でフローラルドロップは「水を一切使用せず100%美容成分で作られた化粧水」との記載があったのですが、全成分表示を見ると4番目に「水」の成分表示が記載されており、水を使用していないという基準がよく分かりませんでした。

・ムーンナイトミルク(乳液)8ml

通常価格30ml、3800円(税別)です。

乳液はHANAオーガニックの中で特に割高に感じます。一般的なスキンケアラインでは化粧水と乳液は乳液の量が若干少なくても価格は同じに設定されていることが多いのですが、ムーンナイトミルクは分量が化粧水の半分以下なのに価格は1000円近く違います。

フローラルドロップの保湿力が弱かったため「乳液も保湿力が弱いのではないか」と疑ったのですが、乳液は肌馴染みがよく保湿力も高いと感じました。ただ、塗布後に少しベタっとした印象を受けました。

ちなみに「ムーンナイト」という名称ですが、朝のお手入れにも使えます。

私はこれまで様々なオーガニックスキンケアの乳液を試してきました。オーガニック成分にこだわるあまり使用感がイマイチな物が多かったのですが、ムーンナイトミルクは使用感が良いです。

・アーユスオイル3.5ml

通常価格20ml、4762円(税別)です。アーユスオイルは「New」と表記されているので新製品のようです。

こちらのオイルは優れものだと思いました。一般的な美容オイルにはたいていミネラルオイルやシリコーンオイルが多く配合されています。天然のオイルのみだと原料コストがかかる上、使用感がどうしても重くなってしまうからです。

しかし、使用感も重くなく乳液の後に塗布するとすぐに肌に馴染みます。

パンフレットの使用方法には「2滴程度を手に取り、ムーンナイトミルクと混ぜて顔全体に押し込むように馴染ませる」との記載がありました。「なぜそのような使い方にしているのか」と疑問に思ったのですが、恐らくアーユスオイルの原料臭をマスキング(臭いを包み隠すこと)するためだと思います。

フローラルドロップもムーンナイトミルクも非常にいい香りなのですが、アーユスオイルは精油の香りの中から油特有の臭いがします。全成分表示の最初に「ゴマ油」と記されています。つまり一番高配合されているのがゴマ油なので、そのような原料臭がしてしまうのだと思います。

そこで使用方法通りにオイルとミルクを混ぜ込んで塗布したところ、原料臭は全く気にならずHANAオーガニックのいい香りに包まれました。

これだけ天然の油でつくった美容オイルが20mlの分量でこの価格はコスパ(コストパフォーマンス)が高いといえます。

またこの美容オイルには、油溶性甘草エキスとも呼ばれる「甘草フラボノイド」が配合されています。甘草フラボノイドに含まれる「グラブリジン」はメラニンの生成を抑制するため美白効果があります。

他にも、保湿効果や肌のバリア機能を高めるセラミドが配合されています。

ウェアルーUVピンクベージュ(3.5ml)、イエローベージュ(1包)

通常価格30ml、4000円(税別)です。SPF(紫外線UVBを防ぐ指標)30であり、PA(紫外線UVAを防ぐ指標)++のスペックをノンケミカルで実現しています。合成着色料が入っていない点も安心です。

使用感は悪くありません。日焼け止め特有の嫌なきしみなどはなく、肌馴染みも良いです。しかし写真を見ても分かる通り、カバー力には欠けてしまいます。

商品説明では「ファンデーションいらず」と記載されていますが、「毛穴まできれいに隠したい」など高いカバー力を求める方には物足りなさを感じるかもしれません。しかし化粧下地としては機能すると思います。「ちょっと出かける」程度の日常使いにはお勧めです。

また、パンフレットには「1本で4役」とBBクリーム(美容液・日焼け止め・化粧下地・ファンデーションと4つの機能を1つにまとめたオールインワンコスメのこと)やCCクリーム(BBクリームにさらにコントロールカラーの機能を持たせたもの)のように紹介されていますが、朝の洗顔後にこのウェアルーUVのみでは物足りなさを感じてしまいます。

・美白クリーム

残念ながらトライアルセットにはサンプルが入っていませんでしたが、HANAオーガニックには医薬部外品の美白クリーム(15g、税抜き5000円)があります。

全体の感想

HANAオーガニックを総合的に見て良い点と残念な点を挙げました。

良い点

・安心して使える

先にも述べた通り全ての配合成分の目的や由来を表示している点は消費者にとって信頼につながる大きなポイントになります。

・真摯な開発姿勢

オーガニック化粧品としての10の約束を掲げ忠実に守っていることです。メイク用品についても着色料や肌に負担の大きいケミカル物質は使わないで商品を開発していました。

・香りが良い

植物の精油からの香りが良く、肌に塗布するたびにリラックスした気分になりました。

・オーガニック化粧品の中では機能性が高い

一般的にエコサートなどの認証マークを持つオーガニック化粧品は成分にこだわりすぎて、スキンケア・メイク用品としての機能が低くなってしまいがちです。HANAオーガニックは厳選した成分からアイテムを開発していますが、全体的に使用感が良く、機能性も低くないです。

残念な点

・ローズウォーターの定義が曖昧

HANAオーガニックのアイテムのほとんどが全成分表示の先頭に「ダマスクバラ花水(つまり、ローズウォーター)」をふんだんに使用している印象を受けますが、リーフレットや会報誌を見てもローズウォーターの定義がよく分かりませんでした。

バラの花びらを蒸留したあと、蒸発した気体を冷やして液体にして、精油を分離します。残ったものがローズウォーターですが、これはどれだけ水で希釈してもローズウォーターといえてしまいます。

従って極端にいえば、99.9%の水に0.1%の純度の高いローズウォーターを混ぜて「ダマスクバラ花水」として成分表示できるのです。

・美白アイテムが少ない

HANAオーガニックは医薬部外品の美白アイテムが現在のところ1アイテムしか存在しないので、確実な美白を求める方には向いていないかもしれません。

しかし、オーガニック成分・天然由来成分のみで医薬部外品の美白アイテムを開発するのは難しいという事情があります。医薬部外品の場合、配合できる成分や配合量に制限があるからです。オーガニック成分の中には医薬品には配合できないものも数多く存在します。

従ってオーガニック成分のみで医薬部外品の化粧品を開発するには限界があるということです。

オーガニック化粧品で優れたHANAオーガニック

オーガニックのイメージだけを利用しているオーガニック化粧品ブランドとは異なり、HANAオーガニックは信念を持って成分を厳選しオーガニック化粧品を開発しています。

成分のこだわりだけでなく、アイテム毎の機能性も高いです。

また、パンフレットやパッケージのデザイン、香りからオーガニック化粧品の世界観が伝わってくる点が個人的に好きです。サンプルのアイテムの中ではアーユスオイルとムーンナイトミルクが気に入りました。フローラルドロップは残念ながら乾燥しすぎて私の肌には合いませんでした。

自然派志向の方、本物のオーガニック化粧品を探している方は一度試してみる価値があります。