ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれる強力な美白成分です。黒人のマイケルジャクソンが肌を白くするために用いたともいわれています。

しかしハイドロキノンは強力な美白作用がある一方で、正しい使い方をしないと効果がでない、あるいは余計にシミを増やしたり濃くしたりしてしまう危険性もあります。

「ハイドロキノンを用いて美白したい」と考えている方はまず、ハイドロキノンが肌でどのように働きかけるのかについてきちんと理解しておく必要があります。

今回はハイドロキノンの働き・ハイドロキノンを用いる上で気をつけるべきポイント・より効果的に美白する方法などについて説明していきます。

ハイドロキノンについて

ハイドロキノンは決して新しい美白成分ではありません。アメリカでは20年以上の歴史を持ち、美白成分といえばハイドロキノンというくらい一般的です。美白化粧品だけではなく皮膚の治療に使う医薬品としても古くから用いられています。

一方日本では、ハイドロキノンは10年以上前まで医師の管理下でしか使えず市販の化粧品に配合することはできませんでした。しかし現在は化粧品への配合も認められています。

ちなみにハイドロキノンは化粧品のパッケージなどで「HQ」と表記されることもあります。

日本国内の皮膚科では、ハイドロキノンを用いて肝斑や老人性のシミを始め、怪我や手術後の色素沈着やアザ、乳頭の黒ずみ、ニキビ跡の治療に使っています。

また、ハイドロキノンは濃度が高ければ高いほど美白効果が上がるわけではありません。従って濃度の高いハイドロキノン製品を海外からインターネットで購入したり、よく分からない化粧品メーカーの高濃度ハイドロキノン化粧品を購入したりするのはやめておいた方が良いです。濃度が高いと副作用のリスクが上がります。

ハイドロキノンはどのようにして美白作用を示すのか

ハイドロキノンは「メラニン合成抑制」と「メラノサイト活動抑制」の2つの働きによって美白作用を示します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ハイドロキノンのメラニン合成抑制作用

シミの元となるメラニン色素はいくつかの反応を経てメラニンへと合成されていきます。その反応を進める上で欠かせない物質が「チロシナーゼ」という合成酵素です。

ハイドロキノンはチロシナーゼの働きを阻害してメラニンが合成されないように作用します。

一般的に美白化粧品に配合されているアルブチン・コウジ酸・トラネキサム酸といった美白有効成分にもメラニン合成抑制作用はあります。

メラノサイト活動抑制

メラノサイト活動抑制作用はハイドロキノン特有の働きです。

そもそも肌の色はメラニン色素の量によって決まります。白人はメラニン色素が少ないため皮膚が透き通り血管を流れる血液の赤みがかった白い肌に見えるのです。一方で黒人はメラニン色素の量が多く黒色に、中間である私たち黄色人種は黄色っぽい肌色になります。

メラニン色素は皮膚の奥に存在する「メラノサイト」という細胞によって生産され放出されます。実は人種によって生産されるメラニン色素の量に違いはありますが、メラノサイトの数自体は白人も黄色人種も黒人も同じなのです。

ハイドロキノンはメラノサイトの活動を抑えることで産生されるメラニン色素の量を減らすことができます。つまり、メラニン色素の量が減ることで肌が白くなるのです。

一般的な美白成分は前述したメラニンが合成されていく過程をブロックするのですが、ハイドロキノンはメラニンを生産する大元のメラノサイトを抑制するためより高い美白効果が得られます。

ハイドロキノンの効果を高めるトレチノイン

皮膚科でハイドロキノンは、単独で用いずビタミンA誘導体「トレチノイン」と併用するのが一般的です。

トレチノインには皮膚のターンオーバー(肌の生まれ変わり)を高める作用、さらには細胞の数を増やす作用があります。トレチノインが持つ美白作用は、肌の奥に溜まったシミがターンオーバーの高まりと肌細胞の増殖によって皮膚の表面に押し上げられ、排出されることで効果を発揮すると考えられています。

肌を白くする「ハイドロキノン」と溜まったシミを排出する「トレチノイン」の相乗効果によって高い美白効果が得られるのです。しかし残念ながらトレチノインは医師の管理の下、皮膚科でしか処方することができません。

一方で化粧品にも配合できるトレチノイン以外のビタミンA誘導体が存在します。トレチノインに比べると効果は弱いですが、同様に皮膚のターンオーバーと皮膚細胞の増殖を高めるといわれています。

従ってハイドロキノン化粧品を用いて美白する際、ビタミンA誘導体の配合された化粧品を併用してみると、より高い美白効果が期待できると考えられます。

ハイドロキノンの副作用「白斑」の危険性は?

ハイドロキノンを用いる上で一番不安なのが「白斑」のリスクだと思います。

「白斑」とはメラニン色素が欠如した結果、白い斑点を生じる皮膚の疾患のことです。メラノサイトの活動が強く抑制されると、産生されるメラニン色素の量が減りすぎて本来の肌以上に白くなってしまいます。

白斑はハイドロキノンに限られた副作用ではありません。カネボウが独自に開発した美白有効成分「ロドデノール」でも、多くの人に白斑の肌トラブルをきたしたことは記憶に新しいのではないでしょうか。

美白効果の高い製品には白斑のリスクが伴います。

白斑のリスクを避けるには、「ハイドロキノンを顔全体に使用しないこと」「長期間用いないこと」を守ることが大切です。ハイドロキノンは部分美白に用いて、シミが薄くなったら使用を止めるようにしましょう。

ハイドロキノンを用いる上で気をつけるべきポイント

ハイドロキノンの使い方を誤るとシミがより濃くなったり、シミが増えたりする可能性があります。ハイドロキノンを用いる上で気をつけるべきポイントについて述べます。

ハイドロキノンの配合濃度を確かめる

ハイドロキノンの配合率を公開している商品があります。厚生労働省はハイドロキノンの推奨濃度を2%としていますが市販のもので10%といった高濃度なアイテムも存在します。国の推奨量を超えた濃度のハイドロキノン製品を使う際は副作用等に特に気をつけましょう。

また10%といった高濃度の製品は自己判断で使用するのはお勧めできません。

紫外線対策はいつも以上に

ハイドロキノンを使用中は皮膚のメラノサイトの活動が抑制されるため、産生されるメラニン色素の量が減ります。

メラニン色素は肌の色を黒くする一方で紫外線のダメージから皮膚を守る重要な役割を担っているため、メラニン色素の量が減るということは肌が紫外線のダメージを受けやすくなるということを意味します。

紫外線は肌の老化を進める主な要因です。つまりハイドロキノン使用中に紫外線対策を怠ると肌の弾力を維持しているコラーゲンやエラスチンが破壊されてシワ・たるみが増える可能性があります。

さらに紫外線による炎症からメラノサイトが刺激を受けてメラニン色素が放出され新たにシミができる危険性もあるのです。

ハイドロキノンを使用中は日焼け止めをこまめに塗って、いつも以上の紫外線対策を行いましょう。

保管方法に気をつける

ハイドロキノンは熱と光に弱い成分です。太陽光の当たる場所に置いたり、熱いところで保管したりしないようにしましょう。冷蔵庫などの冷暗所で保管するようすると良いです。

また、ハイドロキノンは酸化されやすい物質なので空気になるべく触れないようにしましょう。酸化が進むと美白効果が弱まります。フタを開けたらなるべく早く閉めるよう心掛けて、開封後は早めに使い切りましょう。

変質したハイドロキノンを肌に塗布しても美白効果は得られないどころか肌にとって毒となります。少量のハイドロキノン製品を使うようにしましょう。

炎症をきたしたら使用をストップ

ハイドロキノンは多少の刺激を感じるかもしれませんが、肌が赤く炎症を引き起こす場合は使用を止めましょう。炎症はメラノサイトを刺激する作用があります。従って炎症が長引くとメラニン色素が放出されて炎症性の色素沈着をもたらします。肌荒れしているときもハイドロキノンを塗布するのはやめましょう。

まとめ

「顔に目立つシミがあって悩んでいる」「これまで様々な美白化粧品を試したが効果が得られなかった」という方は是非ハイドロキノンを用いた美白を試してみてはいかがでしょうか。特に頑固なシミ、色が濃くて目立つシミが改善されるかもしれません。

しかし使用する際はここで述べたことを守るようにしましょう。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。

オススメの美白化粧品と特徴の違い