美容成分である「プラセンタ」と「マリンプラセンタ」は同じような成分だと考えている方は多いのではないでしょうか。

しかし、プラセンタとマリンプラセンタは全く別物です。プラセンタは美白有効成分(厚生労働省が美白効果と安全性を認めている)として用いられていますが、マリンプラセンタは認められていません。それなのに、化粧品では同じプラセンタとして扱われることがあります。

プラセンタ以外にも同じ成分名称で動物性・植物性・海洋性など由来の異なる化粧品成分は他に存在します。

原料の由来が異なると同じ原料名でも刺激を感じたり、肌荒れを起こしたりすることもあります。

「名称が同じだから同じ作用を示すだろう」と解釈すると、化粧品のイメージだけで商品を選んでしまうことになります。

プラセンタとマリンプラセンタの違い

プラセンタもマリンプラセンタも「プラセンタ」という同じ名称が入っているため同様の効果を示すと考えている方が多いと思います。

そもそもプラセンタとは、英語で「胎盤」という意味です。胎盤とは、哺乳類の雌(人間も含む)が持つ特有の器官です。妊娠時に子宮内に形成され、「母親から栄養分を赤ちゃんへ送る」という重要な役割を果たしています。

化粧品に用いられているプラセンタは、豚・羊・馬の胎盤から精製水で抽出した成分です。

プラセンタの肌への効果

プラセンタには以下のような美容効果があります。

・保湿効果

・皮膚の血行促進効果

・新陳代謝促進作用

・頭髪脱毛の防止

・美白効果

前述した通りプラセンタは、美白有効成分として医薬部外品にも用いられています。

プラセンタは「メラニン生成抑制作用」と「メラニン排出促進作用」により美白効果を示します。シミの元になるメラニン色素の生成反応を抑制する他、肌の新陳代謝を高めることで溜まったメラニンを肌の外へ排出するように働きかけます。

さて、ここまでで「プラセンタは哺乳類特有の器官なのに海洋性プラセンタ(マリンプラセンタ)ってどういう事?」と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マリンプラセンタは魚の卵巣膜から抽出された成分

ご存知の通り、魚に胎盤はありません。よってマリンプラセンタは魚の卵巣膜からつくられた成分です。

現在のところ、鮭の卵巣膜を使ってマリンプラセンタを生成しています。鮭の卵巣膜とは私たちが口にしているイクラが包まれている表面の薄膜の部分です。

イクラが包まれていた膜からつくられるマリンプラセンタと、豚・羊・馬の胎盤からつくられるプラセンタとでは別物であることが分かって頂けたのではないでしょうか。

マリンプラセンタの美容効果について

プラセンタとマリンプラセンタは別物ではありますが、マリンプラセンタに美容効果が無いわけではありません。

鮭の卵巣膜には、豊富なアミノ酸・ムコ多糖類が含まれています。

アミノ酸はコラーゲン(肌の弾力を維持する成分)をつくる原料として、また肌の天然保湿因子の主原料として肌には欠かせない成分です。

ムコ多糖類はヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などからなり、肌の保水機能に重要な役割を果たしています。

こられの豊富なアミノ酸・ムコ多糖類を含有するマリンプラセンタの期待できる美容作用は以下の通りです。

・保湿効果

・コラーゲン産生促進作用

・抗酸化作用

プラセンタとマリンプラセンタは別物ですがそれぞれに美容効果があるのです。

化粧品の成分には同じ名称でも動物性・植物性・海洋性など由来が異なる成分が存在する

プラセンタ・マリンプラセンタとは異なり、同じ成分名でも原料の由来が異なる成分が化粧品の原料の中には多く存在します。

・グリセリン

保湿成分の基本とも言われるグリセリンには動物性由来のもの、植物性由来のもの、さらには鉱物性由来のグリセリンまで存在することをご存知でしょうか。

グリセリンは、油脂を高圧で加水分解(水がある状態での分解反応)することで得られます。この油脂として植物性のヤシ油やパーム油、動物性の牛脂などが使われたり、鉱物性の石油が用いられたりします。

しかし化粧品に配合されているほとんどのグリセリンは植物由来のものだと言われています。

・コラーゲン

コラーゲンは私たちの体内に元々存在する成分です。肌の内側でコラーゲンは弾力を維持し、コラーゲンが減少するとたるみなどの老化の原因につながります。

化粧品以外にもスープや飲料、ゼリー製品などに用いられています。

美容成分として化粧品原料に使われるコラーゲンは、動物性由来・海洋性由来のもので、主に流通しているのは、豚由来のコラーゲンと魚由来のコラーゲンです。

豚由来のコラーゲンは豚の皮から抽出されています。アミノ酸組成が人間と近いため、親和性が高くより効果的だと考えられています。

一方魚由来のコラーゲンは魚のウロコからつくられています。独特の原料臭があるため気になる方がいらっしゃるかもしれません。

・スクワラン

スクワランは化粧品の油性成分として用いられています。元々人間の皮脂に含まれており、保湿作用・肌の柔軟作用を示します。さらに肌のバリア機能を高めるためニキビや吹き出物、あせもの予防改善効果もあります。

スクワランは皮膚への浸透性が高く、なめらかな感触を持ちますがベタつかないといった使用感にも優れています。

さらに熱や紫外線、酸化にも強い安定した原料であるため、クリームや乳液など油分を多く配合する化粧品にはよく使われている原料です。

このスクワランには海洋性と植物性のものが存在します。一般的に使用されているスクワランは、深海に生息するサメ類の肝油中に含まれるスクワレンを安定化しスクワランにしたものです。

一方で、最近ではオーガニックブームといったナチュラル志向の高まりから「植物性スクワラン」の使用が増加しています。植物性由来のスクワランはベニバナ、コーン、オリーブオイルからつくられています。

グリセリン、コラーゲン、スクワランこれらの成分は化粧品の表示名称としては同じです。しかし原料の由来や製造方法によって刺激を起こすことがあったり、作用の違いがあったり、臭いの違いがあったりします。

原料ひとつひとつの由来を調べることは難しいですが、化粧品メーカーによっては原料の由来を公表していたり、問い合わせるときちんと教えてくれたりします。

自分が安心できると思える商品を選ぶようにしましょう。

動物性由来の化粧品原料の使用は減ってきている

動物性原料の中でも牛由来の化粧品原料の使用は減ってきています。その背景にはBSE(牛海綿状脳症)の問題があります。

BSEとは伝染病の一種で、「プリオン」と呼ばれる異常タンパクの病原体が神経組織に蓄積し中枢神経系の細胞がスポンジ状に変異する致死性のある疾患です。

BSEは人間にも感染すると見られ、日本でも異常タンパクが蓄積しやすい牛の脳,脊髄,眼,回腸末端部の4つの組織を「特定危険部位」と定めています。これらの特定危険部位の除去・焼却が義務づけられています。

今までのところ、化粧品を使用してBSEに感染したという報告はありません。しかし、牛由来の原料は豚由来の原料に切り替えたり、植物由来のものに変更したりする措置が取られています。

また、牛だけではなく羊にもBSEと同様のスクレイピーという伝染病が存在します。そのため羊由来の化粧品原料の使用を控えるメーカーも増えてきています。

羊由来の原料で化粧品によく用いられているものとして「ラノリン」が挙げられます。ラノリンとは羊の毛に付着している脂質を精製したものです。

肌への保湿作用と柔軟作用に優れたラノリンは化粧品の原料として長年広く使われてきました。しかしBSE問題から、ラノリンの使用を控えるメーカーも存在します。もちろん、ラノリンに安全性上の問題があるわけではありません。牛や羊由来の原料の配合を嫌がるお客さんがいるためです。

一方で、イスラム教の人々は豚由来の成分を配合した化粧品を使用することができません。そのため「ハラル」と呼ばれるイスラム法に準じてつくられた認証マークのついた化粧品が存在します。

さらに、動物愛護の観点から欧米の化粧品メーカーの中には動物由来の原料全ての使用を控える動きも見られます。

このように、病気や宗教、倫理的な問題といった様々な面から動物性由来の原料の使用が減ってきています。

原料の製造過程も大切

原料の由来を確認することも大切ですが、原料の製造過程も重要です。一般的に化粧品メーカーは、原料メーカーから原料を購入しそれらを配合して工場で商品を製造しています。

もちろん一部の原料を自社で製造している場合もありますが、全ての原料を自社で製造している会社は無いと言えます。

そのため、商品の製造過程はきちんと管理されていても、ひとつひとつの原料の製造工程まで細かく確認されているかどうかは分かりません。同じ原料であっても製造過程によって刺激の有無や安全性の高さ、さらには原料費も大きく変わってきます。

しかし、表示名称は同じなのでどの原料メーカーの原料を選ぼうが消費者には分かりません。原料費のコストを抑えるため粗悪な原料を使う化粧品メーカーも存在するでしょう。品質の悪い原料だと、製造過程で不純物が混じったり、純度が低くなったりしてしまいます。

粗悪な原料を使用した化粧品の購入を避けるには、「あまりにも安い化粧品は購入しない」「どこで作られたかよく分からない海外製品には手を出さない」ことが大切です。

まとめ

普段化粧品を選ぶときに、原料の由来や原料の製造過程まで意識して購入することは少ないのではないでしょうか。

これからは似た名称、同じ名称であっても同じ作用を示すと解釈せずに原料の由来や効果を調べたり聞いたりしましょう。そうすることでイメージのみで商品を選んでしまうことを避け、本当に安全で美容効果を期待できる化粧品を使用することができるのではないでしょうか。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。