「シミにはとにかく美白化粧品」と何も考えずに美白化粧品を使用していると、かえってシミが目立つ場合があります。

以下の図をご覧ください。

顔全体が美白でトーンアップすることで、かえってシミが目立ってしまっているのがお分かり頂けるでしょうか。

この場合の美白は逆効果と言えます。色の濃いシミ・大きなシミなど目立つシミがある場合は、部分美白が重要になってきます。

なぜ部分的に濃いシミができるのか

そもそも、なぜ部分的に大きなシミや濃いシミができてしまうのでしょうか。

・紫外線が当たりやすい

同じ顔の中でも紫外線が当たりやすい部分があります。それは鼻と頬骨です。顔の中でも高い位置にあるため紫外線を吸収しやすくなります。

しかし、鼻は皮脂分泌が盛んなため皮脂が紫外線から肌を守ってくれます。

一方、乾燥しやすい頬の中でも特に位置の高い頬骨は紫外線のダメージを受けやすくシミができやすいのです。日常的に紫外線にさらされることでシミは濃く目立つようになっていきます。

・部分的にターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れる

正常にターンオーバーが行われていると、表面のシミは少しずつ排出されて薄くなっていきます。しかしターンオーバーが乱れると、シミが排出されずに溜まり濃く大きくなってしまいます。

特に、部分的にターンオーバーが乱れるとその部分だけシミが溜まり目立ってしまうのです。

大きなシミや部分的に濃いシミができるのは、上に挙げた理由以外にも遺伝や体質、ホルモンバランスの乱れ、内臓の影響などがあります。

シミの理由を一つに特定することは難しいですが、目立つシミの部分には日焼け止めをしっかり塗り、ターンオーバーが乱れている可能性があるときはピーリングケアをしてシミが溜まらないように気をつけましょう。

面の美白と点の美白

美白ケアでは「面の美白」と「点の美白」を上手く使い分ける必要があります。面の美白とは顔全体の美白のことで、点の美白とは部分的な美白のことです。

顔全体が日に焼けていて、目立ったシミが特にない場合は面の美白をしましょう。

一方で目立つシミがある場合は、「点の美白でシミをある程度薄くしてから面の美白を開始する」あるいは「面の美白と点の美白を同時に行う」ようにすることが美白のコツです。

点美白のアイテムは医薬部外品にこだわらない方が良い場合がある

面の美白の場合は、効果の期待できる医薬部外品の美白化粧品を選ぶことをお勧めします。一方で、点美白の場合は必ずしも医薬部外品にこだわらない方が良い場合があります。

なぜかというと医薬部外品には様々な制限があるからです。

化粧品と医薬部外品の違い

まずは、化粧品と医薬部外品の違いについて理解しておく必要があります。

・化粧品と医薬部外品の概念

化粧品とは、人の身体を美化したり清潔にしたり健やかに保つ人体に対する作用が緩和なものです。皮膚を清潔に保つ、皮膚の乾燥対策、紫外線のカットなどがスキンケア化粧品としてアピールできる効果です。

医薬部外品とは「疾病の予防・改善」を目的にしており、スキンケアの場合だとシミ・ソバカスを防いだり、ニキビを防いだり、肌荒れを改善したり、皮膚を殺菌したりという効能効果を謳うことが可能です。医薬品と化粧品の中間に位置します。

・品目ごとの届け出、承認制度の違い

化粧品は開発してから販売する前に都道府県庁に届け出を行います。何も問題がない場合は一日で許可が下ります。

医薬部外品は、厚生労働省に申請をして承認が下りるまでに約8ヶ月程度の期間が必要です。

・配合できる成分の違い

ここが化粧品と医薬部外品の違いの大きなポイントです。

医薬部外品には「有効成分」という厚生労働省が効果と安全性を認めた成分を既定の範囲で配合します。この有効成分を配合することで医薬部外品では化粧品よりも広い範囲の効能効果を謳うことができるのです。

例えば医薬部外品では「美白効果がある」と謳うことができますが、化粧品にはこのような表記は認められていません。

これによって、一般的に医薬部外品のスキンケア用品の方が化粧品よりも十分な効果が期待できる印象があるかと思います。

しかし、化粧品に有効成分を配合できないわけではありません。化粧品の場合は有効成分を配合しても「有効成分」として表記ができないだけです。また、医薬部外品のような効能効果を謳うことも医薬品医療機器等法(旧薬事法)で規制されています。

さらに医薬部外品は、有効成分以外にも配合できる成分・またその配合量に細かい制限があります。

このように医薬部外品は「美白用」など明確な目的を示すことができる一方で、様々な規制の中で商品を開発しなければなりません。

化粧品の場合は明確な目的を示せないものの、医薬部外品に比べて規制が緩いため様々な成分を配合することができます。化粧品に配合する成分やその配合量はメーカーの判断に任されているのです。

つまり、化粧品は開発の際に細かい規制を受けないため、配合成分や配合量にこだわることができます。医薬部外品よりも実は化粧品の方が効果の高いアイテムを開発することができるということです。

従ってメーカーが最も力を注いでいる、美容液や目的が特に明確な部分用美白アイテムなどに関しては、あえて規制の強い医薬部外品ではなく化粧品として開発することがあります。そのため医薬部外品よりも高い効果が期待できる化粧品が存在するということを意味するのです。

部分用美白アイテムを選ぶ際は、「医薬部外品だから」という基準で選ぶのではなく、配合されている成分をよく確認して選ぶようにしましょう。

色の濃いシミ・大きなシミに効果的な成分は?

それでは色の濃いシミ・大きなシミに効果的な成分について見ていきましょう。

有効成分としても配合されている美白成分

美白有効成分はメラニン(シミの元になる色素)への働きかけ方から3つのグループ「メラニンの生成を抑制する」「メラニンを除去する・メラニンの移送を抑制する」「両方の働き(メラニン生成抑制、メラニンを除去する・メラニンの移送を抑制)を有する」に分けることができます。

・メラニンの生成を抑制する

よく使われるものにアルブチン、トラネキサム酸、エラグ酸、コウジ酸などがあります。

・メラニンを除去、メラニンの移送を抑制する

ニコチン酸アミド、アデノシン-リン酸二ナトリウムなどがあります。

・両方の働きを有する

ビタミンC誘導体(表示名称は「アスコルビン酸~」「~アスコルビル」です)、プラセンタエキスが使用されています。

上に挙げた成分の中で、どれが一番効果的かどうかはその人の肌質やアイテムの処方設計、使用方法などによって変わってくるので一概には言えません。

しかし、メラニン生成抑制・除去・移送抑制作用の両方を持つビタミンC誘導体、プラセンタエキスは優秀といえます。

特にビタミンC誘導体には他にも「メラニン還元作用」という美白には重要な働きを持っています。メラニンはいくつもの酸化反応を経て色の濃いメラニンに成長します。ビタミンC誘導体が持つ還元作用により、メラニン生成の酸化反応を前の段階に戻すことができます。

その結果、シミの色を薄くすることができるのです。メラニン還元作用を持つ美白有効成分はビタミンC誘導体のみです。

またプラセンタエキスは動物の胎盤から抽出した豊富な栄養成分が含まれており、美白効果だけでなく、高いアンチエイジング効果があります。美容クリニックでも使われている成分です。

有効成分としては認められていないものの美白効果の高い成分

・ハイドロキノン

ハイドロキノンは「皮膚の漂白剤」とも言われるほど高い美白効果を持っています。マイケルジャクソンが使用していたことでも有名です。

ハイドロキノンは高い美白効果がある一方で、刺激が強いなど安全性の問題から医薬部外品の有効成分としては認められていません。高濃度のハイドロキノンは医師の監督下でしか使用できないことになっています。

医薬部外品には配合することができないハイドロキノンですが、実は化粧品には配合することができる美白成分なのです。

「顔全体にハイドロキノン配合の美白化粧品を塗るのは怖い」という方でも部分的に用いるのであれば安心して使えるのではないでしょうか。

ハイドロキノンには「メラニン生成抑制作用」とビタミンC誘導体と同じく「メラニン還元作用」があります。メラニン生成抑制作用については、上に挙げた美白有効成分よりかなり強い効果を示すと言われています。

ハイドロキノン配合の化粧品では「ハイドロキノン」あるいは「HQ」の表記があります。

ハイドロキノン配合の化粧品を使用する上での注意点として、使用中はいつも以上にきちんと日焼け対策を講じなければなりません。というのもハイドロキノンには強いメラニン生成抑制作用があるため、メラニンが持つ紫外線ダメージの保護作用を受けられないからです。

つまり、ハイドロキノン入りの化粧品を使用している間は「肌が非常に無防備な状態になっている」ということです。

そのため、多くのハイドロキノン入り化粧品は「晩のみ」の使用を推奨していることが多いです。

・油溶性甘草エキス(グラブリジン)

甘草(カンゾウ)は薬用植物として世界中で使われています。日本では漢方薬など医薬品に用いられるおなじみの成分です。

甘草の根には「グリチルリチン酸」という抗炎症成分が含まれています。グリチルリチン酸や、その誘導体であるグリチルリチン酸ジカリウムは医薬部外品の有効成分としても認められています。

この甘草の根にはグリチルリチン酸以外にも様々なフラボノイドが含まれています。これらのフラボノイドが高い抗酸化作用を持つためアンチエイジングや美白作用も示します。

甘草の根のフラボノイドを抽出したのが「甘草フラボノイド」とも呼ばれる油溶性甘草エキス(グラブリジン)です。

油溶性甘草エキス(グラブリジン)は優れたメラニン生成抑制作用を持っています。しかし現在のところ医薬部外品の有効成分としては認められていません。

ちなみに油溶性甘草エキスを有効成分として医薬部外品に配合することは認められていませんが、ハイドロキノンとは異なり添加物としてなら医薬部外品に油溶性甘草エキスを配合することは可能です。

このように点美白のアイテムを選ぶ際は医薬部外品にこだわらず、「どのような美白有効成分が配合されているか(特にビタミンC誘導体やプラセンタエキスが入っているかどうか)」、また「ハイドロキノンや油溶性甘草エキス(グラブリジン)が配合されているかどうか」を確認して選ぶようにしましょう。

点美白のお手入れ方法

部分美白のお手入れ方法について説明します。面美白では、朝と晩の洗顔後に美白化粧水・乳液・クリームを塗布することをお勧めしますが、点美白では夜のみの塗布にしましょう。

日中はメイクをするため、部分的にアイテムを塗るとメイクにムラができてしまうからです。もちろんメイクをしない日は朝晩使用してかまいません。

成分の選び方については、前述したことを参考にしてください。アイテムについては「部分用美白アイテム」にこだわらなくてもよく、美白美容液を部分的に用いてかまいません。とにかく美白効果の高いアイテムを点美白に用いるようにしましょう。

また、大きなシミや濃いシミのある部分はそれ以上シミを濃くさせないためにも、特にその部分については入念に日焼け止めを塗るようにしましょう。

そして気になってもあまりさわったり、こすったりしないように気をつけてください。頻繁に刺激を与えると炎症を引き起こして炎症性の色素沈着によるシミをもたらす場合があり、さらにシミが大きく広がったり色が濃くなったりする可能性があります。

まとめ

部分的に大きなシミ、色の濃いシミがある場合はそのまま肌全体をトーンアップするとかえってシミが目立つ場合があります。そのため点美白も同時に行うようにしましょう。

点美白のアイテムは部分用であることや医薬部外品であることにこだわらず、配合されている成分をチェックして、より美白効果の高い成分が配合されているものを用いると良いです。

美白のコツを活かして上手に美白していきましょう。


美白で失敗しない化粧品の選び方とは

シミやそばかすを退け、美しい美肌を目指すときに美白化粧品は欠かせません。化粧品に含まれる美白成分を活用することで、ようやく美しい肌を手にすることができます。

もちろん、このときは紫外線対策や生活習慣の改善も必要です。ただ、生活面での対策をすれば問題ないのかというと、それでは不十分です。美白化粧品を活用して、適切な美白対策をしなければいけません。

例えば、病気のときは「体の自然治癒力」に頼るだけでは不十分であり、薬によって症状を抑えることでようやく改善していきます。これと同じように、美白になるように化粧品によって補佐する必要があります。

ただ、美白化粧品は世の中にたくさん存在します。ただ、人によって肌質は大きく異なるため、適した化粧品はそれぞれ違います。そこで、どのような美白化粧品が良いのか厳選して掲載しました。化粧品選びでの失敗を避け、効果的な美白を実現させましょう。

オススメの美白化粧品と特徴の違い